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仏新大統領・日本との友好関係深化を2007年5月8日 
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 フランスの新大統領に保守系与党、国民運動連合の党首、サルコジ前内相が選出された。
 野党、社会党の女性候補、ロワイヤル元家庭担当相に決選投票で大差をつけての当選だ。安倍晋三首相と同世代で、初の戦後生まれの大統領。アメリカ流の自由経済を掲げ、フランスが築いてきた平等型社会を見直し、競争原理に重きを置いた社会の建設に乗り出す。
 福祉を重視する欧州諸国の中では異色の政策を掲げる。競争原理の導入で格差の拡大も懸念されている。マイナスの側面をどう抑え、掲げた政策を実現できるのかが問われる。
 それに国を二分する選挙戦を展開してきただけに、国民をどう1つにまとめていくかも課題だ。サルコジ氏当選に反発した若者が警察と衝突を繰り広げたのは気掛かりだ。
 この大統領選はシラク大統領の任期満了に伴うもので、第1回投票でどちらも過半数を取れず、1位のサルコジ氏と2位のロワイヤル氏との決選投票となった。第1回投票でリードしたサルコジ氏が予想通りの強さを見せた。
 フランス国民は、社会的弱者の救済を優先、手厚い社会保障の維持・強化よりも、競争型社会への転換で閉塞(へいそく)感の打破を掲げたサルコジ氏を選択した。変化を求め、治安回復で示した手腕にフランス再興の夢を託した。
 即断即決の政治スタイルのサルコジ氏は口が悪い。素行の悪い若者を「社会のくず」と呼び、都市郊外で暴動が激化、非常事態宣言に追い込まれた。それでも「ごろつきをごろつきと呼んで悪いことはない」と強硬姿勢を崩さない。若者の中には敵意を膨らませる者もいるが、治安改善を支持する者には毒舌が頼もしく見えるようだ。
 シラク現大統領は、イラク戦争などを機に米国と歩調が乱れていたが、サルコジ氏は親米派。米国との関係修復が進みそうだ。先の日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表で日米同盟と北大西洋条約機構(NATO)を補完的な関係と位置付け、広範な協力を打ち出したばかりだけに、NATOの大国・フランスに親米大統領が誕生したことは日本や沖縄にも影響があるのだろうか。見極めたい。
 シラク大統領は相撲ファンで、親日的だった。サルコジ氏はシラク大統領への対抗心もあったのだろうが、「相撲は知的ではない」と発言、物議を醸したこともある。サルコジ氏本人は日本とのかかわりが薄く、今後の関係に懸念もある。
 これまで日仏は比較的友好的な関係にあった。日本からの観光客も多い。友好的な関係をさらに発展、深化させたい。


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