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万国津梁館の挙式・「県民本位」の発想が大切2007年5月12日 
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 万国津梁館での県民の挙式に、県が前向きに取り組み始めた。近く実現の見通しだ。「あこがれの舞台で挙式を」とのウチナー女性の夢の実現を願う力が「観光客、県外者優先」の県の態度を軟化させた。
 きっかけは、1日付の本紙報道。「万国津梁館の結婚式 県民カップルお断り」の見出しで社会面トップを飾った。「なぜ県民は挙式できないの」。万国津梁館を所有する県や管理・運営する沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)に、挙式を控える県在住の女性は何度も掛け合ったという。
 県の返事は「施設は観光客増加につながる国内外の会議誘致のために造った。観光客の増加につながらない県内カップルの挙式は、その趣旨に反する」。
 「官業による民業圧迫」。つまり県民の挙式を許せば、民間のホテルでの宴会・挙式需要を官が奪うことになる、との理由もあった。
 県は「那覇新都心での国関連の宿泊施設建設計画では、県内のホテル業界が猛反発し、計画が頓挫した。万国津梁館で民業を圧迫し、同じ轍(てつ)は踏みたくなかった」という。「官業による民業圧迫」論は、説得力がある。一方で、万国津梁館の運営費として毎年1億8000万円が掛かるが、うち9000万円を税金で補てんしている。
 施設の稼働率は3割を切るという。民業圧迫の回避も分かるが、自前で稼ぎ、税金の無駄を減らす努力もほしい。そのために県も万国津梁館に「指定管理者制度」を導入したはずだ。
 「お役所仕事」とやゆされる形式主義を廃し、民間の知恵とノウハウで効率・効果的な施設運用をし費用対効果の実を上げる。それが「あれも駄目、これも駄目」という「お役所の手かせ、足かせ」で身動きが取れず、実が上がらない。挙式での「観光客優先、地元排除」もその一つに見える。
 施設を受託運営する側からは「角を矯めて牛を殺す」の愚、県民からは「主客転倒」との批判だ。
 ウチナー女性が投げた一石は、県政の基本を問いただしている。


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