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農地借用拡大・農業に「夢」を持ちたい2007年5月13日 
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 農水省は民間企業が農地を借り入れて農業に参入しやすくするため、借り入れ対象を一般農地に拡大する方針を決めた。有識者会議で具体策をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する見通しである。
 農業への参入企業が増え、収益を上げる企業が続出する。遊休化した農地の利用促進も進む。そうなれば、農業の生産性を飛躍的に向上させる制度となることは間違いない。
 展開次第では、従来の農業の枠を超えた新しい産業形態へと発展する可能性がある。農村の過疎化の歯止めにもつながる。
 企業の農業参入は、2003年の構造改革特区で打ち出され、05年から全国に拡大された。ただ現在の制度には制限がある。農家の高齢化などで遊休地となった農地や耕作放棄地となる恐れがある土地しか借りられない。
 このため土地改良や用水路の整備などに費用が掛かり、収益の見通しが立たないとして企業側の不満が強かった。
 一般農地の借り入れ解禁の背景にあるのは、貿易自由化の加速に向け国際競争力を高める必要性に迫られていることだ。政府の経済財政諮問会議が出した結論が、所有と利用の分離による農地の有効活用だった。企業でいう資本と経営の分離といったところか。
 国際競争力の波にさらされる脅威は沖縄農業も共通だ。農業環境を激変させる流れには行政は慎重に対処し、必要に応じて緩和策を含めた政治的な配慮が必要なのは言うまでもない。
 しかし、自由化の流れが不可避であるのもまた疑いない。対策や配慮を求める一方で、前向きに対処していく姿勢も欠かせない。
 地産地消が叫ばれ、沖縄観光と農業の有機的な連携が強調される。だが現実はうまくいっているとは言い難い。公共工事の減少や過当競争にさらされ、業種転換を迫られる建設業の課題もある。
 今回の制度の趣旨を生かし、沖縄農業に活路を開くため、知恵を絞る必要がある。政府は、農業に夢の持てる有用な仕組みをつくってほしい。


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