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2007年5月14日

 一枚の写真を見た瞬間、忘れていた記憶が鮮やかによみがえることがある。先日、写真家山田實さんと金城棟永さんの写真展「沖縄の記憶」で、かつて平和通りにあった牧志交番の写真にくぎ付けになった
▼幼いころ、両親に連れられて初めて歩いた平和通りで迷子になった。おもちゃ屋の前で動く自動車に見とれていたからだ。雑踏にもまれ泣きべそをかいていたら、牧志交番に保護された
▼写真展会場を訪れた人々は、作品一点一点にじっと目を凝らしていた。もっこに乗って無邪気な表情を見せる少年は「私です」と、会場で名乗り出た人も
▼沖縄は62年前の地上戦で貴重な歴史遺産としての写真も多数失ってしまった。88歳になる山田さんは戦後早い時期から、地方の農漁村を訪ね、たくましく生きる庶民の暮らしぶりを撮り続けた
▼山田さんは言う。「昔の人は戦争で壊れた沖縄を、本当に苦労して復興した。一枚の写真の中に人生の喜びや悲しみ、怒りが凝縮されている」
▼今春、戦前から現在まで、人々の生きざまを活写した作品を集める「美ら島フォトミュージアム」の設立へ向けた活動が始まった。この島の記憶が詰まった、あの瞬間と出合える日を心待ちにしている。


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