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「協力」解釈に終始 事前調査海自投入2007年5月19日 
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調査船に近づく反対派のカヌー=18日午前9時すぎ、名護市辺野古沖

 米軍普天間飛行場移設先の環境現況調査(事前調査)で18日の調査機器設置に自衛隊が投入された。普天間飛行場移設作業で初めての措置。夜行性ジュゴンへの配慮を欠く「未明の作業」も実施された。自衛隊投入には、あくまでどうとでも説明できる「官庁間協力」を根拠に挙げる防衛省。普天間飛行場の3年内閉鎖状態要求や移設案の沖合移動をめぐる政府との膠着(こうちゃく)状態に加え、沖縄側の認識とは温度差がますます広がる一方で、普天間移設への影響も避けられない。
 「本当に人の命を守ろうと、そういう思いで自衛隊に入隊した子供たちを何人も知っている。こんなつもりで自衛隊に入ったのではないはずだ」。18日の自衛隊投入に、辺野古で抗議行動に加わった元教員の女性は教え子を自衛隊に送った経験から訴えた。

■草むしり手伝い

 今回の自衛隊関与という異例の事態に、防衛省はあくまで「官庁間協力」を理由に掲げる。省内には「法の範囲内で身内の作業を手伝ったということで特別なことではない」との見方が大勢で、関係者からは「敷地内の草むしりを自衛隊員に手伝ってもらうことと同じような支援で、特別な問題ではない」との声まで出る。
 だが図式を単純化してみれば、国の公共工事に“軍隊”を徴用したということであり、移設事業を推進する立場を取る県ですら自衛隊投入に不満をあらわにするほど、省と沖縄側の認識の溝は深い。政府関係者も「現行案で移設を急ぐため手段を選ばないやり方だ。沖縄側の要望を聞き入れない防衛省幹部の怠慢という批判を逃れるための手だ」と非難する。
 現時点では「官庁間協力」との理屈を振りかざしているが、作業が米軍施設区域内に及ぶとき、在日米軍基地の「警護出動」との理屈をひねり出してこないとも限らない。省内解釈だけを繰り返しているのでは、国会のチェックも受けられない。

■未明の作業

 SACO(日米特別行動委員会)合意による海上埋め立て案に伴うボーリング調査では、施設局は調査作業計画について、ジュゴンに配慮して作業開始を日の出後に設定した経緯がある。
 今回、県が4月24日に施設局に出した海域使用の同意文書では、留意事項に「自然環境への影響を可能な限り回避・低減すること」を掲げた。市民団体は、機器設置を含む事前調査に伴う作業についても「日の出開始、日の入り終了」を順守することが自然環境への配慮だと指摘している。
 施設局担当者は「自然環境に十分配慮していきたい」と述べるが、機器設置初日から夜明け前の作業を実施しているだけに、空虚に響く。
(滝本匠)


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