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2007年5月23日

 「無知の涙」というのは、かつて連続射殺事件を起こした犯人の獄中手記のタイトルである。無知が故に罪を犯してしまった自らの愚かさに涙を流したというのが大まかな意
▼ハンセン病回復者の語り部として活動している金城幸子さん(65)=うるま市=が過日、自らの半生をつづった「ハンセン病だった私は幸せ」(ボーダーインク)を出版した
▼本には出生から発症、沖縄愛楽園での生活、結婚と出産、国家賠償訴訟など現在に至るまでを記している。無知から生じた国家的、社会的偏見と差別によって、患者らを死へも追い込んでしまった実態に胸が張り裂ける思いがする
▼だが、金城さんは病を患ったことで多くの人と出会うことができ、差別と偏見について考える機会ができた自分は「幸せ」と表現し、支えてくれた多くの人たちに感謝する
▼国家賠償訴訟の勝訴などで、ハンセン病問題への国民の理解は深まったものの、ホテル宿泊拒否問題をはじめ、依然、差別や偏見は残り、社会復帰など多くの課題も抱える
▼偏見や差別的な考えに陥らないために、私たちは無知から抜け出す努力を続けるしかない。そうすれば、無知から生まれる自らの愚かさに涙することは避けられるはずだ。


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