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2007年5月28日

 先日「伊良波尹吉生誕120年祭記念公演」で立派な役者に成長した伊良波さゆきさんを見て感慨深かった。大宜見小太郎さんから手ほどきを受けていた彼女を取材したとき、まだ小学4年生だった
▼さゆきさんの祖父は伊良波尹吉。記念公演で披露された尹吉作・時代歌劇「音楽家の恋」の、絶妙の掛け合いに観客は抱腹絶倒。往年の名優大宜見静子さんが登場した途端、どよめきが起こった
▼沖縄芝居は恋愛ものだけでなく、時代を風刺し逆境を笑い飛ばす。真喜志康忠さんによると、笑い過ぎて入れ歯が抜け落ちたのも気付かず帰り、翌朝慌てふためいて劇場に探しに来た観客もいたという(「沖縄芝居と共に」)
▼明治・大正時代、新聞に攻撃され、当局に弾圧されたこともあったが、芝居を見る確かな目を持ったアンマーたちに支えられてきた
▼差別を背景に引き裂かれる家族の悲哀を扱った歌劇「奥山の牡丹」のように、尹吉は庶民の側に立った作品を数々生み出してきた。残念ながら脚本として残されていない作品も多い
▼尹吉の死から56年。沖縄芝居はかつての勢いを失ったが、魅力は変わらない。うちなーぐちが息づく庶民文化を後世に伝えるために知恵を絞る時ではないか。


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