教科書検定意見撤回を求め要請書を文科省幹部に手渡す安里カツ子副知事(左端)ら県代表団=4日午後、東京・丸の内の文科省
【東京】文部科学省の教科書検定で沖縄戦の「集団自決」に関する日本軍強制などの記述が修正・削除された問題で、県、県議会、県市長会、県市議会議長会、県町村会、県町村議会議長会の代表6人は4日午後、文科省に布村幸彦審議官を訪ね、検定撤回と記述の回復を求めた。安里カツ子副知事によると、布村審議官は「皆さんの気持ちは分かるが、教科用図書検定調査審議会が決めたことなので、ご理解いただきたい」と従来の考えを繰り返し、撤回には応じられない考えを示した。
布村審議官は「すべての集団自決において軍命があったわけではない。なかったところもある」と、軍命を否定する学説を説明。大浜長照市長会副会長(石垣市長)は「体験者がいるのに、軍命のない事例もあるという論法で教科書から削除するのは誤っている。一例でも軍命による集団自決があるなら書くべきだ。それがいかに戦争が悪かを教えることになる」と反論した。
仲里利信県議会議長は「学識者は、渡嘉敷島の区長が自ら村民に手りゅう弾を配ったことを基に、軍命を否定しているのかもしれない。だが手投げ弾は兵隊が配らないと手に入らない。軍命は100パーセントあった」と訴えた。
安里副知事は「なぜ修正・撤回されたのか、どういう検証がなされたのか県民は全く分からない」と審議過程が公表されないことに不満を呈した。
要請後、6団体の代表は県東京事務所で記者会見し、仲里議長は「前向きな答弁があると期待していたが、落胆する内容だった」と失望感をあらわにした。
今後の展開について安里副知事は「教育庁と相談し、あらためて沖縄戦の調査を検討したい」、仲里議長は「横の連携を図りながら、効果的な方策を考えていきたい」とそれぞれ述べた。
県は要請に当たり、伊吹文明文科相、各副大臣、各政務官との面会を求めていたが「日程に調整がつかない」との理由で、布村審議官が対応した。内閣府では東良信審議官に要請した。
要請書は「検定意見の撤回・記述の速やかな回復を求める県民の総意に配慮するとともに、正しい過去の歴史認識こそが未来の道標になるとの認識を持ってほしい」と求めている。首相、文科相、沖縄担当相、衆参両院議長あて。
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