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意見撤回県民大会 検定制度にもメスを2007年9月23日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

 なぜわれわれが文部科学省の教科書検定意見に反発し、その撤回を県民挙げて求めているのか。理由はいくつかある。まず沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)について、生存する体験者の証言などから旧日本軍の強制・関与があったのは事実であること。そして渡嘉敷・座間味島の事例が係争中という状況だけをもって、強制・関与の事実がすべての「集団自決」でなかったことにしたいという動きに危機感を感じていることだ。
 さらに今回の騒ぎで見えてきたのは、決して沖縄のみに特有の問題ばかりではないということ。つまり現行の教科書検定制度とは、現状は事実上の国定教科書ではないのか、という疑問だ。そう考えてくると、これは沖縄だけでなく全国にも当てはまる、普遍的な問題を含むことになる。
 29日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」まで1週間を切った。これまでに県内41全市町村議会で撤回決議が可決され、運動は島ぐるみの様相を呈してきた。最近、県内だけでなく本土の自治体でも撤回決議が相次いでおり、全国的に関心を集めつつある。この問題が単に沖縄という一地域の問題ではない、という認識が広がっているものとして、心から歓迎したい。
 戦前の日本では教科書は国が発行する国定教科書だった。時の政府の思想が色濃く反映され、極端な場合、偏った歴史観、ナショナリズムを国民に押し付ける恐れが強い。皇国史観で彩られた教科書が、戦前の日本国民を戦争に駆り立てていく上で重要な役割を果たしたのは紛れもない事実だろう。
 その反省の上に立ち、戦後は検定制度が導入された。この制度の下では、民間の出版社が教科書を作成し、文科省の検定と承認を受けることになる。提出された教科書は、教科用図書検定調査審議会で審査され、文科省に提言をするという流れだ。一見、問題ないかのように見える。しかし、この審議会がくせものだ。
 今回明らかになったのが、審議会とは名ばかりで、ほとんど議論もしなかったということだ。さらに沖縄戦研究者もいなかったというから、驚くほかない。最大の問題は提言自体が、あらかじめ文科省の調査官が出した意見書に沿うものだった、ということだ。
 つまり、極端に言えば国(文科省)の思う通りの教科書が作れるということになる。国定教科書ではないか、とされるゆえんだ。
 今年6月、教育改革関連3法が成立した。教育目標にわが国の歴史について「正しい理解に導き」とある。一連の流れを見ると「(国にとって)正しい歴史」の意味がよく理解できる。検定制度の在り方も問われるべきだろう。


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