フル稼働状態が続く中部病院の新生児集中治療室=5日、うるま市具志川
県立北部病院の産婦人科休止以降、早産など異常分娩(ぶんべん)の危険性がある北部地域の妊婦のほとんどを受け入れている県立中部病院で、未熟児らを管理・治療する新生児集中治療室(NICU)を昨年利用した乳児は、休止前と比べ北部在住の妊婦の出産が約6倍に増えていることが分かった。この影響で病床が満杯になった中部病院では異常分娩の恐れのある中部地域の妊婦を南部地域の病院に受け入れてもらう“玉突き”が発生。南部でも病床が満杯となり、県内の産科医療は全県的に未熟児の受け入れが困難な、深刻な事態に陥っている。
北部病院の産婦人科休止により、許容範囲を超えた妊婦受け入れが県内の周産期医療の現場を圧迫、影響が全県に波及している実態が明らかになった。
満杯の事態を重く見た県は4日「超早産児が例年になく多い」と妊婦に定期健診を受診するなど健康管理を呼び掛けたが、中部病院は「超早産児の数は例年とあまり変わらない。満杯状態が続いているのは妊婦の健康管理などではなく、北部病院産婦人科休止が原因だ」と受け入れ側の問題と指摘した。
北部病院の産婦人科は2005年4月に休止。中部病院が新生児集中治療室に受け入れた北部地域の乳児は05年は444人中62人、06年は409人中59人。休止前の04年は434人中、わずか10人だった。
06年は北部からの受け入れに伴い、中部病院は異常分娩の恐れがある中部地域の妊婦13人を、県立南部医療センター・こども医療センターを介し、南部地域の同治療室を持つ病院に受け入れてもらった。
県内で新生児集中治療室を保持しているのは5病院で合計96床。内訳は県立中部病院30床、県立南部医療センター・こども医療センター30床、那覇市立病院9床、沖縄赤十字病院15床、琉大医学部付属病院12床。このうち県立2病院が、状態がより危険な妊婦を扱う中核医療を担っている。
(新垣毅)
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