米軍は28日、主力戦闘機F15の飛行再停止を決めた。再停止は、嘉手納基地にも配備されているF15C型機の点検で、機体の骨格となる「縦通材」に2カ所の亀裂が見つかったのが理由だ。
県民の不安と批判を無視し、「点検による安全確保」を強調し、飛行再開の決定からわずか7日後の再停止だが、この間欠陥機の飛行は再開され、再停止までの2日間、米軍は県民を危険にさらしたことになる。重大な判断ミスである。
実戦配備を除くF15戦闘機が、全機飛行停止となったのは、今月2日のミズーリ州空軍所属の同機の墜落事故が理由だった。
同事故は、僚機と空戦演習中に操縦席の後部で胴体が破断し、墜落している。幸いにも操縦士は、脱出し難を逃れている。
訓練中に空中分解する異常事態を重視した米軍は、全機飛行停止措置を取り、事故原因の究明に当たった。
その結果、経年劣化や構造疲労破壊の疑いが指摘された。だが、確たる原因は未解明のまま。事故原因の十分な分析や解明を待たず、米軍は「欠陥機」との指摘にも耳をふさぎ、飛行再開の暴挙に出た。
安全が確保されるまで飛行停止を求める県民の訴えは、「アジア太平洋地域における平和と安定の維持に引き続き貢献する」との米軍の空虚な論理に踏みにじられた。
墜落の危険が指摘される欠陥機で、アジアの平和と安定など守れるはずもない。それどころか、嘉手納基地を含め、周辺に住民がひしめく住宅地の上空を、欠陥機が飛行する恐怖こそが、平和と安定を脅かす元凶である。
今回見つかった「縦通材」の亀裂は、飛行中に空中分解を引き起こす原因につながる可能性が指摘されている。
21日の飛行再開決定に当たり、米軍は「米空軍は安全な飛行を常に最重要視している」(嘉手納基地)と強調した。だが、県統計では米軍機の事故は、復帰後34年間で422件発生し、うち151件がF15戦闘機によるものだ。事故の36%を占める。爆音禍の主原因もF15戦闘機である。
F15戦闘機も含め、米軍機の墜落事故は昨年1件だが、重大事故につながる米軍機の「不時着事故」は昨年も24件、一昨年は57件も起きている。
基地を抱える沖縄は、米軍が引き起こす事件、事故に巻き込まれる危険と常に隣り合わせている。
米軍は、事故を起こすたびに再発防止と綱紀粛正を約束してきたが、米軍の事件・事故が「ゼロ」となった年は、復帰後35年間、一度もない。
日米両政府は事態の重大さを認識し、県民を危険にさらす欠陥機の撤去を真剣に検討すべきである。
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