防衛省のごり押しを結果的に追認する形とならないか。アセス法の限界も背景にはあるのだろうが、もっと県の主体性を明確にすべきだった。
米軍普天間飛行場の代替施設建設に関し、防衛省が作成した環境影響評価(アセスメント)方法書について、県は「方法書は不十分」と指摘。その上で、アセス調査の前に事業内容や調査・予測・評価の手法を具体化させ、再審査させるよう求める知事意見を、沖縄防衛局に提出した。
ただ、県環境影響評価審査会が答申で言及した方法書の書き直しについては「(答申を)真摯(しんし)に受け止める必要がある」とするにとどめ、方法書の公告縦覧など手続きのやり直しは求めなかった。
さらに、現況調査(事前調査)についても「中止も含め検討する必要があるとの審査会からの指摘があり、事業者は十分配慮する必要がある」とし、中止要求までは踏み込まなかった。
いずれも、審査会に責任を預ける格好だ。これでは県の真意が伝わらない。従来、知事は事前調査や方法書について批判を重ねており、それからしても今回の意見は納得できるものではない。問題の先送り、とされても仕方がない。はっきりと方法書の「差し戻し」を要求すべきではなかったのか。
アセス調査前に事業の見直し個所の公表、再審査せよ、との要求にしても、これまでの事業者(防衛省)の態度をみると、どれだけ実行できるか。はなはだ疑問だ。審査会でも、委員の事業内容の説明要求に対し「決定しておらず具体的に示すことは困難」(沖縄防衛局)と、木で鼻をくくるような、核心部分のはぐらかしに終始した。
知事意見の本気度をどう判断するか。例えばアセス調査に先立つ県の許認可がある。来年2月に予定されているアセス本調査で、沖縄防衛局はサンゴ類、ウミガメの卵の採捕について、県の許認可を得る必要がある。これについて県の下地寛環境政策課長は「再審査を求めたことに対し、沖縄防衛局が要求を守らなかった場合、サンゴなど採取の許認可は厳しい」と述べて、防衛局を牽制(けんせい)する。
こうした態度を最後まで県が貫けるかどうか。本気度を図るバロメーターとなる。書き直しを明記した審査会の答申を県自身が「真摯に受け止めよ」としており、このことは、県にも向けられている。字句通りに解釈すれば、県のとる道は限られてくる。
「アセスに協力がもらえないなら、北部振興策も凍結ということになる」(防衛省幹部)。早くも中央からは、こんな「脅し」も伝わってきた。知事意見が玉虫色になった背景の一つでもあろう。しかし、安易な妥協は禁物だ。県は最後まで筋を通してほしい。
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