「役割は終わった」と自民党県連(外間盛善会長代行)。しかし、果たしてそうだろうか。むしろ、これからが正念場ではないだろうか。いまだ道半ば、というのが大方の県民の実感だと思う。そういう意味で、今回の同党県連の判断は残念。ぜひとも考え直してほしい。
超党派でつくる「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の実行委員会(委員長・仲里利信県議会議長)について、自民党県連が、解散を求める方針を決めたという。
理由として「(実行委は)検定意見撤回と記述回復の2項目を要求してきた。結果は必ずしも満足いくものではないが、県民大会を受けて取るべき行動はすべて取った」とする。その上で「100%満足できる結果ではないが、実行委の役割は終わった」としている。
昨年12月26日、高校歴史教科書の「集団自決」(強制集団死)検定問題に関し、文科省は教科用図書検定調査審議会の訂正申請を、すべて承認した。訂正内容は、実行委が要求してきた検定意見の撤回はむろん「集団自決」について日本軍の「強制・強要・誘導」との記述も教科書本文では一切、認めていない。つまり実行委が求めてきた最低限の要求は一つも実現しなかったことになる。
確かに「集団自決」が発生した背景・要因について、脚注や体験者証言など、本文以外で詳しく書き込まれた教科書もある。ただ、検定意見が残ったままでは、本文でもない脚注は、いつ削除されてもおかしくはない。その可能性は大きいのではないか。
このような現状を考えると「役割を終えた」とはとても言えまい。
自民党県連が昨年来、さまざまな障害を乗り越えて、県議会として実行委に参加。さらに、県議会の二度の意見書可決も、同県連の決断がなければ実現できなかったのは確かだ。超党派の要請行動のおかげで、中央政界、文科省も真剣に対応せざるを得なかったことも、疑いないところだろう。
いまだ体験者が生存する「集団自決」について、日本軍の命令・強制の有無は、県民にとってあらためて論議するまでもない。こういう認識があったからこそ、自民党県連も実行委に加わったのだと私たちは理解している。
ここはやはり、実行委にとどまってほしい。党利党略がらみで判断するのだけは避けるべきだ。
幸い今後の運動について、すべての道を閉ざすわけでもなさそうだ。同県連の伊波常洋政調会長は「必要であれば何らかの組織を立ち上げてもいい」と述べている。
実行委は存続し、今後も要請活動を継続すべきだと私たちは考える。仮に超党派は維持できないにしても、自民県連はせめて実行委のバックアップに努めてほしい。
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