戦後、与那城村屋慶名(現うるま市)にいた中国人男性の唐汝北(タンチーペー)さん(87)=重慶市在住=が託した「外間宏さんを捜しています」との手紙がこのほど、外間さん(80)=那覇市=本人に届いた。当時、与那城村に住み、唐さんと交流のあった外間さんは「食糧難の時代に食糧を分けてくれた命の恩人」と話し、妹3人と25日に重慶市を訪れ、唐さんと60年ぶりに再会する。
唐さんは1947年から49年にかけ、屋慶名にあるチャイナ・ボーセイと呼ばれる国民党行政院物資供応処で倉庫管理の幹部職として働いていた。実家が写真館だった外間さんと姉妹は、休日に写真館に遊びに来る唐さんと親しく交流。唐さんは時折、食糧を差し入れてくれたという。
昨年暮れ、仕事で重慶市と日本を行き来する大岡海運専務取締役の大岡博久さん(香川県在住)と出会った唐さんが「外間宏さんを捜している」という趣旨の手紙を託し、大岡さんが「屋慶名の外間写真館」を手掛かりに、うるま市与那城の写真館に問い合わせ、外間さんの所在が分かった。
外間さんは何度か訪中した際、旅先で出会う中国人に唐さんとの思い出を何度も話し、偶然それが唐さんの耳にも入ったのが便りを出すきっかけになった。
外間さんの手元には、外間家と当時20代だった唐さんが一緒に肩を並べたモノクロ写真が今もある。外間さんは「(唐さんは)休みのたびに遊びに来ていたが、紳士的で礼儀正しい人だった。再会したら食糧を差し入れてくれたことへのお礼を言いたい」と話した。
約60年ぶりの再会に向け、日本語を学んでいるという唐さんは「写真館での交流が外間さんとの思い出」と話し、再会を心待ちにしている。
(仲西真希)
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