指導力不足の教員の増加を背景に検討が始まった教員免許の更新制度について、大枠が決まった。中央教育審議会のワーキンググループは、約10年ごとに免許を更新することで合意した。更新制度は、新たに免許を取得する者に適用され、現職教員は対象から外された。
免許更新の要件を、教員としての適格性や専門性を確かめる講習の修了と定めた。有効期限内に教職課程のある大学のほか、都道府県教育委員会などが開く講習を受ける必要がある。
更新が認められるための5項目として(1)使命感や責任感(2)対人関係能力(3)子どもへの理解(4)教科の専門的知識と技能(5)教科の指導力を挙げた。
教えられる子どもや保護者の立場に立てば、確かに5項目のいずれが欠けても困る。これらの要件を満たした教師にめぐり会いたいのが、人情というものだ。
制度の導入を「教員が常に緊張感を持ち、資質を向上させる」ことを目的とするのも正しい。
ただ気になるのは、更新の可否決定をどのような基準で下すのか、判定するのは誰か、などだ。
教師の存在意義にかかわる肝心な部分については、あいまいなままなのだ。もちろん、国民すべてに分かりやすい基準でなければならない。
また恣意的な運用があってはならないことも重要なポイントだ。
教育行政や学校長ら管理側にとって、都合の悪い教師と映れば排除するような運用の仕方などは論外である。「乱用」と指摘される事態を招いては、制度の信頼性に傷が付く。慎重に運用し透明性を高めることを中教審に求めたい。
現職教員を対象外としたのは、不利益となりうる新制度を過去にさかのぼって適用してはならない、との原則に従ったものだ。更新を適用しなくても、指導力不足教員と認定し研修させることで改善されると、文科省は説明する。
教師の果たす役割は大きい。とはいえ、教員1人に任せていいほど、教育は単純ではない。理にかない、教育を向上させるような制度を皆で考えるべきだ。
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