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産婦人科休止・不安の除去は行政の使命2005年10月2日  このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 twitterに投稿する

 専門の医師が周辺にいないことへの不安や心理的圧力が、並大抵でないことぐらい容易に分かるはずなのに、放置されたままである。理由は何であれ、看過できない問題だ。
 今年4月に休止したまま再開のめどが立たない県立北部病院産婦人科の再開・存続を求めて、北部12市町村が合同で総決起大会を開いた。産婦人科医が半年間も不在になっている異常な事態に業を煮やしたのだ。
 病気は、時や場所や人を選ばない。不意に襲ってくる。妊産婦が大量出血したり異常分娩に見舞われるなど、産科の領域では母子2人の命が危険にさらされることになるから、ことさらに怖い。
 同病院が産婦人科を休止したのは4月1日で、医師不足が理由である。
 休止を前に、患者の急患搬送などに携わる北部消防連絡協議会は北部病院と協議し、緊急性の高い妊産婦は同病院に運ぶことや、搬送先をめぐる救急車両と県立中部病院の連絡体制などについて合意した。
 綱渡りではあるが、急場しのぎのためにはやむを得ない、暫定の意味合いが込められていたはずである。
 それが半年たっても解消されないどころか、いつ医師が配置されるのか見通しが立っていないのでは、住民の不安が高じるのは当然である。
 同病院が担当するエリアは広範囲にまたがる。最北端の国頭村から搬送指定先の中部病院までは時間的ロスが大きく、医療上のリスクも増大する。
 総決起大会では、中部病院までの搬送中に体調を崩した妊婦の事例のほか、空きがなくて入院できなかったケースなど次々に報告された。
 劣悪な医療環境下に置かれた北部地区住民の叫びにどう対処するのか。県は説明する責務を負っている。
 県庁を訪れた北部の首長ら関係者は「今の状態では北部には女性は住めない」「当たり前の生活ができない」などと述べ、産婦人科の早期再開を迫った。
 産婦人科医の確保が難しい状況にあるのは理解できるが、総体として医師の過剰供給問題が、先日の衆院予算委員会で取り上げられたほどである。まるっきり手だてが尽くせぬ状況とまでは言えないのではないか。
 医療機関に恵まれない地域ほど体制の充実を優先するべきだ。それが医療行政のあるべき姿だ。
 県立病院の診療科目の休止・廃止問題は、今後ますます深刻化する恐れがある。医師不在にうろたえ、その確保にあくせくする今の対症療法には限界がある。抜本的な解決策を県に求めたい。


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