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四軍調整官が直接謝罪/中傷メール 2001年2月9日  このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 twitterに投稿する

 
  在沖米軍トップのアール・ヘイルストン四軍調整官(第三海兵遠征軍司令官、中将)は8日午後、県庁に稲嶺恵一知事、伊良皆高吉県議会議長を訪ね、知事、県議会議員らを「頭の悪い弱虫」などと部下にあてた電子メールの中で非難した問題について「全く言い訳の余地がない。私の真意を反映していない不適切な言葉を使ったことに対して、深くおわびしたい」と直接謝罪した。稲嶺知事は「謝罪に来たことは誠意と受け止める」としながらも、「沖縄の歴史的背景、県民に対する配慮が欠けており、大変遺憾に思う。在沖米軍の責任者としての発言には、十分注意を払うべきだ」と、厳しく指摘した。
 
  四軍調整官は口頭での陳謝に加え、知事あてのわび状を県に提出した。在沖米軍トップのわび状は極めて異例。
  ヘイルストン調整官は「私は、知事、両副知事、吉田(勝広)金武町長、県議会、すべての議員に対して深い敬意を抱いている。私の謝罪の気持ちを、沖縄の人々に受け止めていただくことを心から望む。申し訳なかった」と陳謝した。
  これに対し、稲嶺知事は「われわれに損害を与える決議が通過するのを何もせずに見ていた」とする四軍調整官の電子メールでの批判に関し、「執行部と議会はそれぞれ独立して機能していくものである」と指摘。調整官サイドが当初、電話による謝罪を希望していたことには「直接会うことが適切だと私なりに判断している」と述べ、電話で謝罪を受けるのは不適切との見解を伝えた。
  そのうえで「沖縄は56年間蓄積されたマグマの上に立っている。一つ穴をあけると今度のように(県民の反発が)飛び出してくる。米軍人・軍属が事件・事故を起こせば県民から大きな反発を受けることは当然だ」として、戦後の基地重圧に対する県民感情を理解するよう促した。
  伊良皆県議会議長は「直接謝罪に来た誠意は評価する。県議会は県民意思を決定する機関であり、議会の決議は県民の総意だ。このことを深く認識してほしい」と述べた。
 
 県議会軍特委きょう招集も
 
  弱虫発言をめぐるアール・ヘイルストン四軍調整官の正式謝罪を受け、県議会の米軍基地関係特別委員会(宮平永治委員長)は県外出張から帰任する9日午後、視察不参加の委員を含め、正式に委員会を開くかを協議する。視察参加中の委員には開催を求める意見が強く、招集された場合は、稲嶺恵一知事や伊良皆高吉議長への謝罪内容について県から確認し、議会としての今後の対応を検討する。
 
 
 「誠意認める」もぶ然/知事、目合わさず
 
  8日午後、県庁を訪れて稲嶺恵一知事、伊良皆高吉県議会議長に電子メールで中傷したことを謝罪したアール・ヘイルストン米四軍調整官。「(知事らを)深く尊敬している」と低姿勢だったが、「頭の悪い弱虫」と評した後だけに、謝罪の弁はむなしく響いた。稲嶺知事は「沖縄は56年間に蓄積されたマグマの上にのっている」と半世紀余に及ぶ基地の過重負担を語り、終始ぶ然とした表情を崩さず。対照的に神妙な表情の同調整官。三人がそれぞれの言葉を述べただけで、言葉のやりとりもないままの20分間。稲嶺知事は終わると同時にさっさと同調整官に背を向け、和解の場にはほど遠い20分間だった。県民の間では「当たり前のこと」と冷ややかに受け止める声がほとんど。県民を見下す本音が露呈した後だけに、米軍への不信は依然として渦巻いた。
 
  稲嶺恵一県知事に目を向けながら、謝罪の言葉を繰り返すアール・ヘイルストン米四軍調整官に、稲嶺知事は険しい表情を一貫して崩さず、会談の行われた知事応接室はピリピリとした空気が漂った。終始、厳しい口調で調整官に対応した知事は、同席した伊良皆議長の最後の言葉が通訳によって伝えられるやいなやさっさと立ち上がり、何か言いたげだった調整官には目もくれず、無言のまま退室した。和解の場とはほど遠い雰囲気だった。
  稲嶺知事より先に応接室に入った調整官は、詰め掛けた報道陣を一べつし、「HAVE NO EXCUSE」(言い訳はしない)と書かれたメモとボールペンを手にしながら静かに知事を待った。遅れて現れた知事は、あいさつしようと立ち上がりかけた調整官とは視線を合わさずに着席。一瞬中腰になった調整官も席に着いた。硬い表情で視線をそらす知事に向かって、調整官は謝罪を述べ始めた。
  視線を落としながら、「発言はまったく私の真意を反映したものではなかった。非常に申し訳なく思う」と謝罪を述べた調整官は、「沖縄県民らとの深い友情の恩恵から多くのことを学んだ」と手振りを交えて語った。知事の顔を見据える傍らで、発言を訳している通訳の取ったメモにも目を落とし続けた。その間知事は、時々調整官に目をやるだけ。
  「(今月)2日に、牧野副知事を通して、内容がよく分からないまま(同調整官の)謝罪が伝えられた」と厳しい口調で切り出した稲嶺知事。「電子メールを読んだが、執行部と議会は別々のものだ」という指摘に、調整官は聞き入った。
  終始左手にボールペンを握り、時折メモを取りながら知事の発言に聞き入った調整官。知事が「謝罪に来られたことは誠意と受け止める」と述べた時も小さくうなずき、「米軍の事件・事故はひとつの点でなく、56年間の線の上にある」と話す知事の言葉をメモに取った。
 
 
 「当然」と冷ややか/謝ってもくすぶる怒り/県内首長ら
 
  ヘイルストン在沖米四軍調整官が8日、稲嶺知事へ謝罪したことに、県内首長や県議は「謝罪という行為は認める」と評価しながらも、「謝るのは当然」などと冷ややかに受け止めた。
  ヘイルストン在沖米軍四軍調整官が8日、稲嶺県知事らに謝罪したことを受けて、金武町の吉田勝広町長は「(四軍調整官の電子メールについては)当初から冷静に受け止めていた。謝罪で区切りを付け、今後はこの問題を契機にして、いかに信頼関係をつくっていくか考えることが大切。相互理解に向けて努力していくしかない」と話していた。
  ヘイルストン四軍調整官は吉田町長に対しては5日に電話で謝罪。吉田町長も正式な謝罪と受け止めていた。
  県民への直接謝罪と更迭要求を盛り込む抗議決議を可決した沖縄市議会の新里八十秀議長は「当たり前。県民が選んだ知事をばかにする発言はやはり許せない。しっかり謝ってもらわないと、何のための隣人か分からない」と述べた。
  また「それでもまだ県民の怒りはくすぶるだろう」との見方を示し「市議の中には更迭要求に否定的な人もいたが、やる時はやらないといけない」と強調した。
  同市議会基地特別委員会の桑江朝千夫委員長も「当然のことだ」とした上で、直接出向いたことに対し一定の評価を示し「県民の怒りが身にしみたのだろう。この態度を県議会がどう見てどう対応するか、見守りたい」と話した。
  在沖海兵隊削減決議を審議した県議会軍特委のメンバー、伊波常洋さん(自民)は視察先で謝罪の報に触れ、「謝るのは当然。(四軍調整官の)発言が帳消しになるわけではないが、謝罪という行為は認めたい」と述べた。また、「長年の事件事故の事実をみると、海兵隊削減を言わざるを得ない。国際情勢も緩和に向かっている」と強調した。
 
 
 米政府の行動必要/我部政明琉大教授
 
  四軍調整官は謝罪したが、次は米政府がこれをどう処理するかが注目される。知事は不快感を示し、県民も怒っている。信頼関係を取り戻すため、米政府がどういう行動をとるのかが問われてくる。四軍調整官が更迭されたとしても信頼関係が戻るわけではない。基地は残る。知事、県民もいる。米政府からの何かしらのアクションが必要ではないか。
  地元の自治体、地域とどう関係を築いていくか米軍自身が考えなければいけない。日常的に県民を批判する感覚があるのだろう。今回の問題はたまたま露呈したが、根は深い。それをどう払しょくしていくかだ。
  外交官の役割まで担わされ、彼らとしては不満もたまるだろう。基地問題は彼らも考えなければならないが、それを考えることが仕事ではないのが不幸だ。米軍は軍事力として存在しており、地域との関係改善、友好関係をつくることが仕事ではない。そういう意味では軍人は減らすしかない。
  三番目に、米軍のこういう感覚は沖縄の人たちもうすうすは感じていたが、今回の件で「やっぱりね」となった。米軍は占領地の延長線上で沖縄を見ており、日米安保で守ってやっているという意識があり、偏見をもちやすい状況にある。
  沖縄の人たちは米軍に対して厳しい目を向けるべきだろう。対等な友好関係を築けると思わないほうがいい。いろいろな問題を抱えながらの友好関係だ。友人にはなれるが、軍人と民間人ということを理解して付き合っていく必要がある。
  今回の問題は、沖縄の人が米軍を理解するいい事例になったのかもしれない。
 


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