日米両政府間の沖縄の米軍基地問題への取り組みが完全な停滞期に入っている。米太平洋海兵隊司令部の上級当局者は3日までに、返還合意から6年余が経過した普天間飛行場の移設作業について、「沖縄と東京(日本政府)が、パートナーシップを築いてほしい。SACO(日米特別行動委員会)ステップの第一段階さえ、全く進んでいない」と述べ、日本政府と県側に対するいら立ちをあらわにした。普天間代替基地の15年使用期限、海兵隊削減、日米地位協定改定の三大懸案は、当面、打開のめどが立たない袋小路に陥り、厳しい局面が続くことは必至だ。
(編集委員・松元剛)
米国務省が主催するインターナショナル・ビジターズ・プログラムで、6月1日から一カ月間、在沖基地に関連し、安全保障を軸とした研修・視察に参加する機会を得て、全米七都市を巡った。
多くのワシントンの研究機関の安全保障専門家や米軍当局者と意見を交わしたが、稲嶺恵一知事が求める普天間代替基地の15年使用期限設定について、「国際情勢の変化は予知できない」「軍事常識的にあり得ないこと」などの意見が大勢で、実現可能性があるとの見方は皆無だった。元国防総省日本部長のロビン・サコダ氏は「5年ごとなど、定期的に国際情勢を見極めて、見直すという妥協策」によって、玉虫色の決着を図るしかないとの認識を示した。
沖縄は東京に主張を
太平洋軍当局者は在沖海兵隊がフィリピンのテロ組織・アブサヤフ掃討作戦に関与し、多様な役割を担っていることを強調。「在沖海兵隊の対テロ作戦、人道・災害援助での能力は高い。既に兵力はギリギリまで減らした」と述べ、海兵隊削減の可能性を否定。国際政治学者のシーラ・スミス氏(ハワイ大東西センター所属)は「ラムズフェルド国防長官は、同時テロ後、即応部隊としての海兵隊の柔軟な移動性を重用する姿勢だ。当面、在沖海兵隊をなくすことはない」と語った。
一方、ワシントンの有力シンクタンク・戦略国際問題研究所のウィリアム・ブリアー日本部長は「兵力削減をめぐる米政府の努力は十分でない」と指摘。北朝鮮との緊張緩和などを条件に、削減の余地はあるとの認識を示し、「日米地位協定は改善すべきだ」(クリストファー・ヘルマン国防情報センター上級研究員)とする声もあった。
在沖基地の負担軽減要求が米側に説得力をもって届いていない要因として、「東京から主張がない以上、米側は検討できない。沖縄は東京に主張すべきだ」(米政府筋)との指摘を何度も聞いた。
沖縄の要求を外交交渉に乗せない政府の姿勢が基地問題の後退局面に大きく作用している。


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