民事再生手続き中の文教図書(那覇市、仲田清栄社長、代理人弁護士・知花孝弘氏)が那覇市のパレットくもじ内の店舗と営業権をリウボウインダストリー(那覇市、比嘉正輝社長)に2億5000万円で譲渡する再生計画案を、那覇地裁に提出していることが3月31日分かった。
リウボウ側はセゾングループのリブロに書店運営を委託。半世紀余にわたり郷土の書店として親しまれてきた老舗がその名を消すことになる。
25日に裁判所主催の債権者集会を予定。リウボウ側は再生計画案が認可されれば、ゴールデンウイーク中の新装開店を目指す。書店名は「リウボウブックセンター リブロ」。現在の従業員14人(パート含む)は原則、継続雇用する方針。
負債総額は約33億9400万円で、債権者総数は255件。労働債権(退職金、67人)を含む再生債権総額は約25億6000万円で、このうち96%の債権放棄(弁済率4%)や退職金の50%削減などを図り、支払い額を約4億円とする。
仲田社長は「苦渋の選択で、社会的責任を感じるが、営業譲渡で(書店継続という)最後の砦(とりで)は守ることができた」と説明。文教図書は1950年に、県内の教職員やPTAなどの関係者が株主となり設立した。
◇消える老舗、惜しむ声
半世紀にわたって沖縄の学校教育や活字文化を支えてきた「文教図書」が早ければ今年5月にも消える。敗戦から5年、「沖縄の子どもたちに教材を」という目標を掲げて誕生した老舗の書店も、今日の景気低迷や競争激化の荒波を乗り越えることができなかった。本土系の書店に運営委託されるが、かつての経営陣は「断腸の思いだ。寂しい」「残念だ」と話し、文教図書の名前が消えることを惜しんでいる。
文教図書は1950年11月、沖縄の児童・生徒の教材を供給するため、教職員が株主となって設立。名護中学校長だった當銘由金氏=元県社協会長=が社長に就任した。
文教図書は那覇市の本店のほか、本島中北部、宮古、八重山にも店舗を置き、教材不足に悩む全県の学校現場を支えた。
設立当時、八重山支店長を務めた宮城信勇さん(82)=那覇市首里=は「八重山では教職員だけでなくPTAも株主になってくれた。学用品が入手しにくい時代だっただけに、皆が文教図書を応援してくれた。沖縄の教育界に尽くした業績は大きい。名前がなくなるのは断腸の思いだ。非常に寂しい」と残念がった。
文教図書設立の土台となった沖縄教職員会で活動し、復帰後は沖教組委員長の立場で経営に携わった福地曠昭さん(72)は「沖縄の教育や文化振興の面で文教図書は欠かせない存在であり、長年県民にも親しまれてきた。業績悪化を聞いていたが、経営再生が果たせずに残念だ」と寂しさを募らせていた。
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