本島北部や西表のマングローブに生息するカニアナヤブカが魚(ミナミトビハゼ)の血液を吸い、それを栄養源にしていることを琉球大学医学部の當間孝子助手らのグループが確認した。魚の血を吸う蚊はこれまで南太平洋のソロモン諸島で確認されているだけで、當間助手らの発見が世界で2例目となる。24日に名桜大学で開かれる沖縄生物学会で発表される。
當間助手らは2002年8月から西表島古見、名護市大浦のマングローブでカニアナヤブカの生態を観察。同ヤブカが高さ2メートル近くにもなるアナジャコの塚やカニ穴を生息地として、海水と淡水が混じる汽水(きすい)で卵からボウフラ、成虫となる珍しい性質を持つことが分かった。夜行性で人間からの吸血はないことも分かった。
吸血源を特定するため、同地域に多数生息するミナミトビハゼと同ヤブカの成虫を研究室で飼育したところ、水から出たハゼの背中や頭部から吸血することが確認された。また、古見、大浦から採取したカニアナヤブカの吸った血液を分析したところ、魚の血液であることが分かった。
同グループの宮城一郎琉大名誉教授は、「ほ乳類が出現するはるか以前、吸血源がハゼなどの魚しかいなかったころの古い性質を残したものと思われる。県内にはヘビやカエルの血を吸う蚊もおり、まだまだ珍しい蚊がいると思われる」と話している。
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