口腔ケアが健康長寿の鍵に
医療法人てぃーだ 宮城歯科クリニック
宮城 旺照 理事長(金沢大学講師)
―口腔(こうくう)ケアの重要性について。
沖縄県民の虫歯罹患(りかん)率は非常に高く、健康長寿を脅かす一因にもなっています。県民が健康長寿を考えるときに、食生活改善や運動が大切ですが、もう一つ口腔ケア、口腔管理を加えてほしいですね。「歯の健康管理で健康長寿」という啓蒙活動を展開していきたいです。歯を残すということだけでなく口の中全体を考えることが大切です。
歯磨きはもちろんですが、舌もきれいにしましょう。実は肺炎や心臓疾患など病気を引き起こす菌が口の中、特に舌の上に生息しています。専用のブラシとか、歯ブラシでも極細の毛先のものを使い、舌も磨いてください。消化器系の病気やインフルエンザの予防にもつながります。
―かみ合わせの重要性は。
高齢になると奥歯の方からなくなっていきます。奥歯がなくなってしまうと、寝ているときに前歯で食いしばり、首が反り返ってしまいます。深い睡眠時に起こっていて無意識に頭が反り返ってしまうのです。首が反り返ると首のこりがひどくなって、脳への血流や、脳内部で作られた髄液の流れが首の部分でブロックされる形になり循環が悪くなります。原因不明の頭痛やめまい、ふらつき、不眠症といった症状は、ほとんどがかみ合わせが悪くて夜間食いしばり、首の反り返りという問題が引き起こしているとみています。これらの症状は認知症につながる可能性があります。特に夜間のかみ合わせの状態に注意すべきで、奥歯がしっかり当たっている状態が大事です。
奥歯がない場合は、マーテルスプリント療法をおすすめしています。私が開発したもので、奥歯だけの特殊なマウスピースです。これで夜間正しいかみ合わせにすることができます。夜間の歯のかみ合わせを正し、枕の改善も認知症を防ぐことにつながると考えます。
―講演活動なども積極的ですね。
私は激しいぜんそく発作や膵炎(すいえん)の激痛に襲われる辛い経験をしました。皆さんに同じ経験をしてほしくないので、病気にならないための情報を伝えていきたいと思っています。本もまた発行する予定です。今後も県民の健康と長寿、沖縄の長寿日本一の奪還を目標に、沖縄から情報発信していきたいです。
―あらためて訴えたいことは。
定期的に歯医者に行って口腔ケアをするくせをつけてほしいですね。歯や口腔に意識を持つことが健康長寿への第一歩です。
ご予約・お問い合わせ
〈電話〉098-832-0008
電話による完全予約制となっております。
診療時間
午前 9:30~13:00
午後 14:00~18:00
休診日
木・日・祝祭日
住所
沖縄県那覇市国場541(沖縄尚学高校隣り)