秋空にはためくフーヌイユ 沖縄・国頭村の漁港で天日干し始まる


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天日干しされるフーヌイユ=15日、国頭村宜名真漁港

 【国頭】沖縄県国頭村の秋の風物詩となっている、フーヌイユ(シイラ)の天日干しが同村宜名真で始まっている。毎年この時期に宜名真漁港内で開催する「フーヌイユまつり」は、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となった。それでも今月に入り漁師らはいつも通り、約300年続くといわれる地域の伝統漁法のフーヌイユ釣りに取り組んでいる。

 15日には、浦崎光男宜名真区長の呼び掛けで、本格的な操業と魚の解体作業の始まりとして漁師や区民らが宜名真漁港に集まった。漁師らの操舵(そうだ)する漁船5隻は、まだ夜が明けない午前6時ごろに宜名真漁港を次々に出港。沖にあるパヤオ(浮き魚礁)周辺で釣り上げ、約2時間後に帰港、約30キロが水揚げされた。フーヌイユは地元の漁師や区民によって3枚におろされ、約1時間塩漬けした後、風通しのよい場所ですだれ状にして2日間天日干しした。

 今年は、水揚げ量の状況を確認しながら、2千円の700グラム入りパックを、11月初旬から宜名真共同店で販売の予定。「この時季にしか味わえない、貴重なフーヌイユ天日干しをご賞味ください」と呼び掛けている。
 (新城高仁通信員)