「名護の名木」東江のガジュマル倒れる 昭和天皇勅使の記念樹「南根腐病」で


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
倒れた東江公民館前のガジュマル=1日午後2時ごろ、名護市

 【名護】1942年に天皇の勅使「小倉侍従武官」が来沖した記念に植樹した、名護市の東江公民館前のガジュマルが1日未明、倒れているのが確認された。名護市教育委員会文化課によると、「南根腐(みなみねぐされ)病」が原因。東江公民館から約400メートルに位置する、国指定天然記念物「ひんぷんガジュマル」に南根腐病は確認されていない。

 東江のガジュマルは「名護市の名木」(市教育委員会)で紹介されたこともある。高さ8メートルほどあった木は、5年ほど前から徐々に傾いていたという。

 南根腐病は東南アジアやアフリカなど、熱帯・亜熱帯地域に広く発生している。発生すると根が黒色に変化し、葉の変色や落葉があり、やがて枯死する。

 市教委文化課文化財係の仲宗根禎主幹兼係長は「重要な樹木は定期的に観察し、対応を進めたい」と述べた。

 東江の津波一夫区長は「戦中、先輩方が頑張っている時代から地域を見守ってくれた。非常にショックだ」と声を落とした。区は今後、倒れたガジュマルの挿し木で苗を育てる予定だ。

 (喜屋武研伍)