台風で倒木のガジュマル 座安小に“生還” 児童ら新たなシンボルに期待 沖縄・豊見城


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
挿し木として成長した2本のガジュマルを、ひもで鉄柱に固定する泉川園芸の作業員=1月24日、豊見城市の座安小学校

 【豊見城】昨年9月の台風11号で折れた豊見城市立座安小学校の樹齢100年超のガジュマルが1月24日、新たな姿で校内に戻ってきた。倒木後に解体し、挿し木にして再生を図っていた6本の幹のうち、順調に成長した2本が鉢植えで校庭に帰ってきた。「新たな歴史」の始まりに児童や教職員からは「大きく育って」と喜びの声が上がっている。

 ガジュマルは座安小が現在の場所に移転してから植樹され、少なくとも114年の歴史があった。台風で折れた後、市内の造園会社・泉川園芸がガジュマルを解体し、幹を持ち帰って鉢に入れて育てた。約4カ月間でガジュマルは根を張り、細い枝葉を生やした。

 24日、高さ約3メートルと約2メートル50センチのガジュマルの幹2本を泉川園芸がトラックで校庭に運び、鉢植えのまま鉄柱に固定した。今後、児童が水やりを担当し、2月中旬ごろには同社がPTAと協力して校庭に植える。3月の卒業式当日には6年生が土をかぶせ植樹祭をする予定だ。

 6年生の橋本湊さん(11)は「一度倒れてしまったけど、また大きく育ってほしい。目指せ樹齢120年」とうれしそうに話した。同学年の林し軒(りんしけん)さん(12)も「倒れた時はショックだった。今度は倒れないように元気に育ってほしい」と新たな学校のシンボルに期待した。

 玉寄誠教頭によると、残り4本のうち、2本は今後、学校に運んで鉢のまま校内で育て、別の2本は泉川園芸で成長を見守るという。玉寄教頭は「子どもが戻ってきた感じだ。保護者も地域の人も楽しみにしていた」とガジュマルを見詰めた。
 (照屋大哲)

※注:林し軒さんの「林し軒」は草カンムリに「止」