絆が生んだ優良牛 山形―伊江 交流、指導に感謝状


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【伊江】伊江村の肉用牛子牛の取引や繁殖経営の技術指導など、長年にわたり交流を続けた山形県のJAみちのく村山(高谷尚市組合長)とJAおきなわ伊江支店(友寄千成支店長)の交流20周年祝賀会が15日、同支店2階ホールで開かれた。山形県の関係者をはじめ、村内の畜産農家ら約100人が参加した。

交流20周年を記念し、JAみちのく村山の折原敬一代表理事専務(左から3人目)とスカイファームおざきの尾崎勝社長(同4人目)に感謝状と記念品が贈られた=15日、JAおきなわ伊江支店2階ホール

 1993年、当時の県内の子牛価格が低迷し、村の市場でも子牛の単価が県内で最も安く、肉用牛の繁殖経営で存続の危機に立たされた。
 旧JA伊江村は15人の繁殖部会が雌子牛購買者の新規開拓や交配種雄牛について、高い肥育技術を有する山形県の旧尾花沢農協肥育部会に子牛を提供し、血統や育成技術の評価をしてもらった。沖縄から素畜を受けることに抵抗もあったが、スカイファームおざき(尾崎勝社長)が中心的な役割を担い、実証展示圃(ほ)を展開するなど貢献した。
 JAおきなわの普天間朝重代表理事専務は「20年間にわたり肉用牛の繁殖経営や課題提起をはじめ、数多くの肉用牛子牛の取引があり、村をはじめ、県内の畜産振興に大きく寄与した」として、JAみちのく村山とスカイファームおざきに感謝状と記念品を贈った。
 代表して尾崎社長は「島の皆さんの温かさに感謝する。これも互いの絆があって交流が続けられた。島を代表する優良牛を今後も生産してほしい」とあいさつした。
 伊江家畜市場において、スカイファームおざきの過去20年間の購買実績は5055頭に上る。
(金城幸人通信員)