サンウルブズ、読谷で鍛錬 スーパーラグビー今季参入


社会
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サンウルブズの合宿で軽快な動きを見せる田村優(右)

 南半球の強豪が集うスーパーラグビー(SR)に今季参入する日本チーム・サンウルブズの強化合宿が15日、読谷村の残波岬ボールパークで始まった。主将のHO堀江翔太(パナソニック)ら選手たちが軽めのメニューで約1時間、汗を流した。練習前に歓迎セレモニーが行われ、読谷村や県ラグビー協会の関係者らがチームに記念品を贈呈した。同村の石嶺伝実村長は「キャンプの成功を祈念します」と激励した。サンウルブズは22日まで読谷村で合宿を行い、ライオンズとの開幕戦(27日、埼玉・秩父宮ラグビー場)に備える。

田村「沖縄は“故郷”」/母が県出身、幾度も訪れる
 「沖縄は自分にとっての故郷」。サンウルブズのCTB田村優(27)はそう語る。母親の真奈美さん(旧姓・高江洲)が浦添市出身で、自身も同市で生まれた。幼いころから頻繁に沖縄を訪れ「遊びに行っていた海とか、思い出がいっぱいある」と沖縄への思いを語る。開幕を控えたSRへ「チームのために体を張りたい」と闘志を燃やし、うちなー魂を胸に世界と戦う。
 真奈美さんが出産のため里帰りした浦添市で生まれ、しばらくして愛知県へ移った。その後もたびたび浦添市の祖父宅へ遊びに行き「年の半分近く過ごしたこともある」。中学卒業後に栃木の高校に進学したため「子どもの時の思い出は愛知よりもむしろ沖縄の方が多いかもしれない」という。
 今でも年数回、沖縄を訪れる。「生まれた場所だし、落ち着ける。沖縄に(トップリーグの)ラグビーチームがあれば所属したいくらい」と笑う。
 昨年のワールドカップ(W杯)イングランド大会は南アフリカ戦に途中出場し、大金星に貢献した。「W杯で結果を出すことがずっと目標だった」と夢の一つをかなえた。次の大きな舞台であるSRに「わくわくしかない」と胸を高鳴らせる。
 自身が日本代表やサンウルブズで活躍することで「少しでもラグビーを身近に感じてもらい、沖縄でも認知度が上がれば」と切望する。「自分のルーツは沖縄だという意識がある。少しでも恩返しできれば」。力強く、そう語った。(荒井良平)