黄金色、海風に揺れ 伊江島で小麦収穫始まる


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
黄金色に色づいた小麦が一面に広がり、収穫作業が進む小麦畑=20日、伊江村西江上

 【伊江】県内で唯一の小麦の生産地・伊江村で、3月末から麦刈りが始まっている。晴れた日にはコンバインを稼働させ、作業員が収穫作業に追われていた。作業は5月中旬まで続く。

 村西江上にある小麦畑では、島のシンボル「城山(ぐすくやま)」を背に、黄金色に色づいた麦穂が広がり、風に揺れていた。ゆり祭り会場に向かう観光客も足を止め、島の原風景をカメラに収めていた。
 5月5日まで「伊江島ゆり祭り」が開催され、小麦畑の風景や食も楽しめそうだ。
 島の土壌と気候は小麦生産に適しており、琉球王朝時代から小麦の一大産地だったと伝えられている。戦後、一時的に減少した小麦の価値を再び見直そうと、2012年に16軒の農家が集まり、伊江島小麦生産事業組合(玉城堅徳会長)を立ち上げ、在来種の「江島(えしま)神力(じんりき)」を栽培している。
 無農薬で化学肥料も使用せず、香りと風味の良さから、本島のパン屋や菓子店の料理人から評判が高い。オリオンビールとの取引もあり、一部に江島神力を使用した「琉球ホワイト」を1月末に発売した。
 伊江島産小麦の加工商品や商品開発を行う「いえじま家族」では小麦のチップス「ケックン」が土産品として大人気商品となり、14年の離島フェアで優良特産品にも選ばれた。伊江港内にある「いーじまとぅんが」では麦そばなどが味わえる。(金城幸人通信員)