【南風原】「まるでブーケのよう」。南風原町兼城の平田章さん(66)が南城市佐敷の農道脇に植えていたテッポウユリが、1株に53輪の花を咲かせた。「このような現象は初めて見たのでびっくりした」と驚いている。
平田さんは土建業に従事しているが、佐敷の農道に不法投棄などが目立つこともあり、少しでも不法投棄が減ればという願いも込めてボランティアでテッポウユリを植えた。何十株も植えた中で、この1株のみは花芽が出た時から茎が連なるように生えており、「どんなふうに花が咲くかと楽しみにしていた」という。
植物に詳しい東南植物楽園学芸ガイド部の鈴木愛子さんは「この現象は成長点に突然変異が起きる帯化現象というもので、サボテンなどでも見られる現象。これだけ多くの花が咲くのは珍しいと思う。興味深いことだ」と説明した。
平田さんは「今回は花を切り取ってしまったが、次も同じような現象が起こったら、球根ごと引き抜いて鉢植えなどに移し、多くの人に見てもらえるようにしたい」と話した。