【北谷】2016年12月9日に完成した北谷第二小の校舎に、卒業生らの思いが詰まった壁画が飾られている。壁画は俳人の野ざらし延男さんが作詞した校歌に込められた「悠久の世界観」をテーマに、1期生の美術家村松芽(旧姓・山城芽)さんと昨年3月に卒業した37期生93人が協力して制作した。同校は6日に37期生を招き、新校舎お披露目会を開催。卒業生らは「頑張って作ったかいがあった」とうれしそうに目を細めた。
壁画制作は、北谷第二小改築の設計・監理を請け負った松島設計が主導し2015年末から始まった。
同社の松島良治代表は「学校の顔である玄関に、学校に関わる人々の思いが入った、児童らにパワーを与えるようなものを作成したかった」とプロジェクトを提案した当時を振り返る。
当時の6年生3クラスは、延男さんによる校歌の世界観を伝える授業を受け、クラスごとに3番まである歌詞それぞれのテーマ「大空」「大地」「大海」をイメージしたイラストを作成。これらを基に村松さんが図案をまとめ、沖縄ステンドグラスの職人10人以上が携わってガラス細工の壁画を完成させた。
村松さんがくしくも延男さんの娘だという縁もあり、作品には親子の絆も込められた。村松さんは「児童らの思いと父の言葉の世界観を作品に織り込むことができて喜ばしく思う。制作を通して、地域と学校との強いつながりも実感できた」と話した。
当時6年の冨名腰来華さん(12)=北谷中1年=は「もう一度6年に戻りたくなるくらいうれしい。後輩に見て楽しんでもらいたい」と笑顔を見せた。
37期生の担任をしていた後藤里子教諭は「当時のことを思い出して、児童らがいつでも帰ってきたいと思うような作品になった」としみじみ話した。