合格願い本島縦断走 糸満・潮平中3年2組


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 【糸満】糸満市立潮平中学校3年2組の生徒たちが年末の12月30日、高校受験の合格祈願などを目的に、国頭村の辺戸岬から糸満市の喜屋武岬までをつなぐ「本島縦断駅伝」に挑んだ。生徒らは互いに励まし合い、保護者や教員らの助けを受けながらたすきをつなぎ、約145キロの道のりを走り抜いた。

高校受験の合格祈願などを目的に辺戸岬から喜屋武岬まで走り抜いた潮平中3年2組の生徒ら=12月30日、糸満市の喜屋武岬

 駅伝は、9月まで担任を務めた新垣光史教諭(42)の呼び掛けがきっかけ。新垣教諭は自身が20歳の時、高校時代の野球部仲間で本島縦断駅伝に挑戦した経験から、生徒らに達成感や団結の力を感じてほしいと考えた。2011、12年にも当時の生徒たちと共に開催した。

 生徒らは前日の夜からバスに乗って辺戸岬を目指し、30日午前0時15分ごろから駅伝をスタート。最初は出席番号順に全員が1キロずつ走り、その後は個々人で走る距離を自己申告した。走者以外はバスから「頑張れ」と励まし、走り終えた生徒に「お疲れさま」と声を掛けてねぎらった。

 喜屋武岬に到着したのは出発から13時間半が経過した午後1時半ごろ。保護者らが出迎える中、生徒の名前とクラスのテーマという「愛」の文字を書いた横断幕を持って全員でゴールした。

 完走後、川門航也さんは「みんなで団結してゴールに向かって頑張ることができて良かった。このことは一生の思い出になると思う」、西原れいあさんは「運動が苦手な人も一生懸命走り、クラスで団結できた。受験勉強も頑張れると思う」と充実した様子で語った。

 新垣教諭は「駅伝は苦しかったと思うが、今後の人生で苦しい場面が来た時に、きょうのことを思い出して頑張ってほしい」と生徒たちを激励した。