体育館と恩師へ感謝 豊見城・上田小 バスケOB・OGが大会


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取り壊される体育館と3月で定年を迎える平安名盛孝教諭への感謝を込めてバスケットの大会を開催した関係者ら=8日、豊見城市立上田小学校の体育館

 【豊見城】体育館ありがとう、校長先生ありがとう―。築50年になり、老朽化で取り壊される豊見城市立上田小学校の体育館で8日、同校バスケット部のOB、OGが集まり、大会を開催した。1996~2000年にバスケ部の顧問を務めた平安名盛孝教諭(60)が現在、同校の校長を務めており、3月で定年を迎えることから体育館と平安名教諭への感謝の思いを込めて開かれた。

 大会は平安名教諭の名を冠し「平安名モリタカップ」と銘打った。関係者らは平安名教諭にサプライズを仕掛けようと「体育館を壊す前に、教職員のバレーボール大会を実施する」と伝えていた。平安名教諭は「体育館に来たら教え子が集まっていて、びっくりした」と話した。

 大会には平安名教諭が監督を務めていた時代の同校51~55期生と、昨年卒業した中学1年生や在校生らが参加した。平安名教諭は当時、1回戦負けが当たり前だったチームを地区大会ベスト4常連のチームに育て上げた。練習前には勉強をさせ、午後8時ごろまで練習に取り組んだ。

 「今では小学生をあの時間まで練習させることは考えられないが、保護者の協力もあり実施できた。決して上等な体育館ではなく、練習環境も良くはなかったが、みんな頑張ってくれた。スポーツだけでなく、学級、学年のリーダーになる子を育てようと考えた」と当時を振り返る。

 そのころから強豪になり始めた上田小は昨年、全国大会で準優勝に輝いている。

 現在豊見城中1年で準優勝時のキャプテンだった津田剛大さんは「練習は楽しかった思い出ばかり。ここでやってきたことが全国につながった。平安名先生は顧問ではなかったけど、大会のときはよく来てくれてアドバイスしてくれた」と感謝した。

 OB代表であいさつした52期生の大城政貴さん(31)は「体育館でいろいろなことがあった。遅くまで練習したことを思い出す。平安名先生も自分たちのことを思い、指導してくれた。体育館と先生に『ありがとう、お疲れさま』と言いたい」と感慨深げに語った。