今季限りでの引退を表明した宮里藍が表明後初戦となるサントリーレディスオープンゴルフトーナメントに出場し、26位で大会を終えた。積極的に攻めた最終日は二度のチップインバーディーが飛び出すなど、鈴なりの観客が見つめる中、研ぎ澄まされた集中力の高さを見せつけた。「感謝の気持ち」を示した大会は笑顔あり、涙あり、感謝ありの“藍ちゃんフィーバー”に沸いた。8日から11日までの4日間で、大会史上最多の3万4750人の観客が会場に足を運んだ。「ウチナーンチュとしてここまで頑張ってきた」。沖縄について「ずっと大事な存在」と語る。小柄ながらも、努力したからこその「なんくるないさ精神」に支えられ、荒波を乗り越えてきた。宮里のシーズンはまだ続く。「沖縄出身の選手もたくさん頑張っている。残りのシーズンをみんなと一緒に頑張りたい」と話す。4日間のプレーを写真で紹介する。(崎原有希、具志堅千恵子)
後輩思い語る
サントリーレディスには県勢も多く出場し、宮里藍への思いを胸に、上位を目指し奮闘した。国内大会最後になるかもしれない宮里と「一緒に回りたい」という言葉が多く聞かれ、憧れの先輩に対し「神様みたい」「ずっと追い掛けていたい」など、後輩らにとっての存在感の大きさがあらためて示された。
県勢最高位の4位に入った山城奈々は「ゴルファーとしてだけでなく人間性も含めて全てが素晴らしく、憧れの存在で尊敬している。スイングもパッティングもリズムが一定で、崩れないところがすごい。研究し、身に付けたい」と語った。川満陽香理は「藍さんのおかげで周りが動き、恩恵を受けた世代だ。目標がいなくなってしまうようで寂しい。いつも気に掛けてくれてうれしかった。ずっと追い掛けていたい」と話し、大城さつきは「ジュニア時代から手の届かない神様みたいな存在だった。もっと一緒にやりたかった。藍さんがつくってくれた道をつなげていけるように頑張りたい」と後に続く意欲を見せた。
プロ入りを目指す新垣比菜は「全てが完璧で憧れの存在。スイングリズムもきれいで勉強したい。プロテストを受けていることに、頑張ってねと声を掛けてくれた。みんなから愛され、世界でも活躍できる藍さんみたいなプロゴルファーになりたい」と話した。
宮里も「沖縄の環境はゴルフに向いている。いい選手が何もしなくても育ってくるのではないか」と後進の活躍に期待。ホールアウト後の会見では「できることがあれば何かやっていこうかなと思う」と地元への熱い思いを表した。