「名誉ある賞」 安室奈美恵さん、県民栄誉賞に涙 翁長知事が功績たたえる


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 久緒
翁長雄志知事(右)から県民栄誉賞を贈られる安室奈美恵さん=23日午後2時45分ごろ、県庁知事応接室

 沖縄県は23日、9月に引退を予定している県出身歌手の安室奈美恵さん(40)に県民栄誉賞を贈った。県庁で行われた授賞式で翁長雄志知事が「輝かしい活躍は県民に大きな夢と感動を与えた」と述べ、音楽界の第一線で数々の記録を打ち立てた「平成の歌姫」としての功績をたたえた。安室さんはティッシュで目頭をぬぐうなど受賞に感極まる姿を見せ、「名誉ある賞をいただきうれしく思っています。ありがとうございます」と声を詰まらせながら感謝の言葉を述べた。

 県が県民栄誉賞を授与したのは安室さんで6組目。見学者の殺到による混乱を避けるなどの理由で、授賞の決定は事前に公表せず、表彰式は非公開で行われた。

 膵臓がんの手術後、抗がん療養を続けている翁長知事は、県民栄誉賞授与のため約1週間ぶりに登庁した。翁長知事は「2000年の九州・沖縄サミットでの、日本を代表するアーティストとして各国首脳の前で堂々と歌う姿は県民として大変誇らしく、今でも鮮明に記憶している」となどと式辞を述べ、表彰状とともに、房指輪とジーファー(かんざし)の金細工作品を記念品として贈った。

 式典後、報道陣の質問に答えた安室さんは「デビューから25年間の活動で、1人でも多くの方が笑顔や元気になってくれたならば、一生懸命頑張ってきてよかったと思う」と県民へのメッセージを語った。

 沖縄アクターススクールで歌とダンスを学んだ安室さんは、1992年に女性5人のアイドルグループ「スーパーモンキーズ」のメンバーとして全国デビューした。ソロ活動に移り「CAN YOU CELEBRATE?」などヒット曲を連発し、日本、アジアを代表する歌手として活躍した。安室さんのファッションをまねる女性を指した「アムラー」現象も引き起こし、時代を引っ張った。

 昨年9月に残り1年で歌手活動を引退する意向を電撃的に表明し、現在は集大成のラストイヤーとして全国ドームツアーやアジアツアーを展開している。

 県民栄誉賞は1999年に創設された。これまで沖縄尚学高校野球部(99年、春の甲子園で県勢初の優勝)、上与那原寛和さん(2008年、北京パラリンピック男子車いすマラソン銀メダル)、興南高校野球部(10年、甲子園春夏連覇)、宮里藍さん(10年、全米女子プロゴルフツアー日本人最多勝)、仲里進さん(16年、リオパラリンピックウィルチェアーラグビー銅メダル)に贈られている。

英文へ→Namie Amuro wins Okinawa Prefectural People’s Honor Award