辺野古で3年に1度の大綱引き 住民一丸、世代超え熱気


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3年に1度行われる伝統行事「辺野古大綱引き」。東西に分かれた区民らが大綱を引き合った=19日午後8時40分ごろ、名護市辺野古(大城直也撮影)

 【名護】沖縄県名護市辺野古区の伝統行事「辺野古大綱引き」が19日、区内の辺野古グラウンドで開かれた。集落を東西の組に分けて挑んだ2本勝負の大綱引きは、1勝1引き分けで西組が勝利した。3年に1度の伝統行事に、区民一丸となって取り組んだ。

 午後5時から東西の旗頭を掲げて集落を練り歩く道じゅねーの後、グラウンドで集落の子どもたちがみこしを担ぎ「わっしょい、わっしょい」と盛り上げた。区伝統の青年会エイサーでは、力強い太鼓の音が集落内に響き、青年らは勇壮に踊り切った。舞台では辺野古伝統の力強い棒術も披露された。

 たいまつを持った青年らが会場で輪を作って駆け回る「テービーガーエー」では、区民や米兵らが輪の中に駆け込み、舞い散る火の粉を手拭いなどで払いながら「サーサーサー」と掛け声を上げた。

 法螺(ほら)貝や太鼓、銅鑼(どら)が鳴り響く中、雄綱と雌綱にカヌチ棒が差し込まれ、舞台からの合図で大綱引きが始まった。1本目は西が圧倒的な力で引き寄せ勝利。2本目は東西どちらも譲らず、引き分けとなった。実行委員長の嘉陽宗克区長は「先人たちから引き継いできた伝統文化を大事に後世に引き継いでいく。区民の絆が深まっていく」とコメントした。