世界平和へ市民連携 アイルランド 国際会議が閉幕


社会
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米軍の爆撃で犠牲になった中東の子どもたちの名前と手形が入った横断幕を掲げる参加者=18日、アイルランド・ダブリンのリバティーホール

 【ダブリンで大矢英代通信員】アイルランドの首都ダブリンで開かれた「全世界の米軍基地とNATO基地の撤去を求める国際会議」は現地時間の18日、全日程を終え閉幕した。閉会式で基地撤去に向けた行動計画の発表があり、沖縄代表が所属するアジア太平洋チーム(沖縄、米国、フィリピン、オーストラリア)は、新たな「太平洋平和ネットワーク」を立ち上げ、定期的に情報交換と連携を続けていくことを提示した。

 アジア太平洋チームは、米国が対中国政策を進める重点地域だからこそ、国境を超えた市民間の連携が重要だと強調した。

 最終講演で登壇したアフリカ代表団は、大陸各地に進出する米軍の配置図を見せながら「豊かな天然資源が狙われている」と訴えた。ケニア出身のアン・アタンボさんは「米軍基地を置き、米国の軍事戦略に加担することで、市民が守られるどころかテロの標的になっている。すぐに基地を撤去すべきだ」と力説した。

 主催者の一人、アメリカ人のバーマン・アザットさんは、参加者に対し「帰国後、教育と行動に必ず取り組んでほしい」と呼び掛け、「会議で得た情報を共有し、米軍基地は戦争のための施設であり、基地から派生する問題は世界共通の問題。撤去に向けて行動してほしい」と呼び掛けた。

 会議には3日間で世界35の国と地域から約300人が参加した。参加した稲葉博さんは「沖縄県民にとってこれほど力強い仲間はいない」と笑顔を見せた。来春、米国で第2回の開催を予定している。