「家族の中心にはおばーがいる」 長寿願い孫・ひ孫28人で野球勝負


この記事を書いた人 大森 茂夫
當間キヨさん(前列中央)の健康と長寿を願い、野球の試合に臨む孫とひ孫ら=2日、那覇市長田の寄宮中

 新年を迎えたばかりの2日、沖縄県那覇市寄宮中の運動場には92歳になる當間キヨさんに元気な姿を見せようと、県内外から孫とひ孫計28人が集結し、野球の試合を繰り広げた。毎年1月2日夜、キヨさん宅には親族が集まるが、今年は日中から親族一同でできることを考えて企画された。冷たい風が吹く中での熱戦に、キヨさんは「感謝の気持ちでいっぱいだ」と話し、野球に興じる孫とひ孫の姿を目を細めて眺めていた。

 12月の半ばごろ、孫の當間功さん(46)=那覇市=がLINEで親族らに呼び掛け、試合が実現した。野球好きが多いキヨさんの孫たちは数年前から試合ができないか考えていたという。ひ孫らが成長し大人に交じって野球ができる年齢になったため、「そろそろではないか」との話が持ち上がっていた。野球部に所属するひ孫も多いという。試合は29~50歳の孫チームと小6~高3のひ孫チームに分かれ、熱闘の末、7対5でひ孫チームが勝利した。審判はキヨさんの次男、重政さん(60)が務めた。

 孫の伊波未来さん(36)=浦添市=は「家族の中心にはおばー(キヨさん)がいる」と話す。旧盆や正月には必ずキヨさんのもとを訪れ、顔を見せるという。「名前を覚えるのも一苦労」と笑うキヨさんだが、成長していくひ孫や立派になった孫の姿を見るのが楽しみだ。

 試合後、功さんは「かなり盛り上がった。親族間の絆を深められた」と強調。未就学児や小学校低学年のひ孫たちが成長すれば、数年後には今より大所帯で野球ができると期待している。
 (砂川博範)