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知念、男子ハンマー堂々の大会新 埼玉総体第3日

 【埼玉総体取材班】2008年度全国高校総合体育大会第3日は30日、埼玉県内各地で10競技が行われ、県勢は8競技に出場した。陸上競技の男子ハンマー投げで知念雄(那覇西)が65メートル09の大会新で優勝を飾った。

弓道女子個人の宮城衣鶴美(小禄)が4位に入賞し、男子団体の沖縄工は16強進出を決めた。ハンドボール男子の興南は2回戦で明星(東京)を31―26で破り、女子の那覇西も高岡向陵(富山)を28―24で下し3回戦に進出した。相撲団体の中部農は予選3戦全勝で決勝トーナメントへ進んだ。ソフトテニスの女子個人戦で県出身で中村学園女子(福岡)の嘉数美玖(東風平中卒)と奥村すずなのペアが優勝を飾った。ボクシングはライトフライ級の美崎伸弥(八重山農)とウエルター級の仲田詢弥(沖尚)がともにRSC勝ちで16強入り。バスケットボール男子2回戦で北中城は明徳義塾(高知)に91―92の、1点差で惜敗した。大会第4日の31日は埼玉県各地で10競技が行われ、県勢はハンドボールや相撲、弓道など7競技に出場する。

■本能の力、爆発力へ ハンマー知念

 力強いターンから投げ出された6キログラムのハンマーが栄光の弾道を熊谷の空に描いたのは5投目だった。ほかの選手とは明らかに違う高さと軌道を維持したまま落ちたのは65メートル表示線の外。「ヨッシャー」という知念の叫び声が競技場に響き渡った。
 「物を放り投げたくなる衝動」というものが投てきのトップアスリートにはあるという。知念も「何でもいいから周りのものを投げたくなってしまうんです」と大会の2週間前に話した。体を突き動かすような衝動が試合前に消化されてしまっては試技に生かされない。九州総体が終わり、すぐにでも全国を戦いたいと焦る気持ちを7月30日の試技に合わせて、制御してきた。
 さらに距離を伸ばすには、技術的にもさまざまなポイントが要求される。力任せに投げるだけではない。ハンマーの振り出しから、回転への入り方。そしてダンスを思わせるようなリズミカルな足の運びによるターン。
 これらすべてのタイミングにスピードを合わせ、押さえ込んできた本能の求めともいうべき思いを爆発的な力に変えて、全国総体の決勝の場で、大会新での優勝という結果を出した。
 優勝を果たし、珍しく満面の笑みをみせた知念だが、次の目標は既に定まっている。「国体の大会新が日本高校新。状態もいいので、出せると思う」とさらに高い課題を自らに課した。
(新垣和也)

■沖縄選手団応援「うれしかった」 ソフトテニス中村学園女・嘉数

 「日本一を狙うために」東風平中を卒業後、福岡の中村学園女子へ進んだ嘉数美玖が、高校最後の夏に見事その夢をかなえた。
 全国中学で優勝経験のある1年生後衛・奥村すずなとペアを組む嘉数。ファイナルまでもつれた4回戦までは硬かったが、5回戦以降は「かみ合ってきて2人の持ち味が十分出た」と外薗茂監督も安心して見ていられたプレーを展開した。
 嘉数自身も「相手の打ってくるコースを読むことができた」と集中力が研ぎ澄まされ、何度もポーチに出るなどポイントを重ねた。さらに嘉数の背を押してくれたのが「福岡の中村の選手として出場したけど、沖縄の人たちにも応援してもらってうれしかった」と言う、故郷の選手団の声援だった。
 「一番欲しいのはチームの優勝」と個人戦制覇にも涙を見せなかった嘉数。31日の団体戦終了後に2つ目の日本一を手にしてたっぷりうれし涙を流すつもりだ。


<埼玉総体>男子ハンマー投げ 大会新で優勝した知念雄(那覇西)の力強い投てき=熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

女子個人戦の優勝トロフィーと賞状を手に笑顔を見せる中村学園女子の(左から)嘉数美玖と奥村すずな=東京都港区の春日旅館