経済

モズクにがん抑制効果 フコイダンが転移を阻止

フコイダンのがん転移抑制作用について説明する(左から)浜田博喜教授、前田すえこ社長=那覇市の県庁

 モズクの主成分フコイダンにがん細胞の転移を阻止する効果があることが分かった。29日に横浜で開催された第65回「日本癌(がん)学会学術総会」で、シーズ(浦添市、前田すえこ社長)と共同研究を進めていた岡山理科大臨床生命科学科の浜田博喜教授らが学術論文で発表した。31日、県庁で会見した前田社長は「まだ基礎実験の段階だが、がんを抑える代替医療として世界に発信できるのではないか」と話した。

 研究はシーズが持つフコイダンを低分子化する技術を使って浜田教授らが進めていた。がん細胞は自ら血管を作り出し(血管新生)、正常な血管とつながることで栄養を取り入れ、転移する。
 浜田教授によると、5000に低分子化されたフコイダンががん細胞の血管新生を阻止し、結果がん細胞は死滅するという。浜田教授は「フコイダンを構成するフコースはメチル基という分子構造を含み、その部分が阻害に影響しているのではないか」と分析した。
 実験は鶏卵を使って行われ、フコイダンを投与した2日後、頭部に当たる部分の血管新生が止まったという。血管新生を阻止する抗がん剤としては、米国の製薬会社「ジェネンティック社」が開発した「アバスティン」が大腸がんに効果があるとして、2004年に米食品医薬品局(FDA)の認可を得、日本でも今年認可された。前田社長は「今後は抗がん剤としての可能性を探りながら、健康食品として商品化を目指したい」と述べた。
 シーズと岡山理科大は共同で研究を進めていた「沖縄生物資源からの配糖体とオリゴ糖包接体の開発」が、県実施の2004年度産学官共同研究推進事業に採択されている。