県知事選 翁長氏、出馬を明言 「後世に禍根残さぬ」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県知事選への出馬を表明する翁長雄志那覇市長=10日午前10時すぎ、那覇市議会本会議場

 翁長雄志那覇市長(63)は10日、市議会9月定例会で「沖縄の未来を開くために私に期待する声があるなら、その声に応えることこそが政治家としての集大成という結論を出し、覚悟を固めた。

本日、知事選出馬を決意する」と述べ、11月16日の県知事選への出馬を正式に明言した。知事選には現職の仲井真弘多氏(75)と、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)が既に立候補を表明している。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関する姿勢が異なる3人の表明が出そろい、移設問題が最大の争点となる知事選の三つどもえの構図が確定した。
 翁長氏は知事選出馬の意向を問われ「政府に(県内移設断念を求めた)建白書を突き付けた東京行動のようにオール沖縄として、子や孫の世代に禍根を残すことのない責任ある行動が今強く求められている」と述べ、出馬を明言した。
 米軍普天間飛行場の移設問題にも言及し「これ以上の押し付けは沖縄にとって限界であることを強く認識してもらいたい」と政府に求めた。与党会派、新風会の金城徹氏の質問に答えた。
 表明後、翁長氏は記者団に対し「知事の(埋め立て承認という)行政行為を県民がどう判断するかが今回の知事選の争点になると思っている」と語った。辺野古の新基地建設を止める方策について問われ「法律的に争うかということをしっかりやるためにも、今度の知事選で(辺野古移設)ノーを突き付ける。不退転の決意で取り組む」と語った。
 翁長氏は、13日に那覇市民会館大ホールで出馬の記者会見を開く予定だ。
 翁長氏は県内全市町村長や議会議長らが署名した建白書を「一番重要な枠組み」と表現しており、建白書で求めた普天間飛行場の県内移設断念などを訴えていくとみられる。9月末の定例会終了後、那覇市長を辞職する。