「現代の名工」 県内から池宮城氏、熊谷氏が選出


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 厚生労働省は9日、伝統工芸や工業技術などで優れた技能や業績を持つ149人を2014年度の「現代の名工」に選んだと発表した。県内からは琉球ガラス煌(きらめき)工房代表でガラス吹工の池宮城善郎さん(56)=うるま市=と、熊谷職業和裁学院長で和服仕立職の熊谷フサ子さん(71)=那覇市=が認定された。

県内の「現代の名工」は今回の2人を含め延べ48人となる。表彰式は10日。
 池宮城さんは、琉球ガラス製造で「多層段彫り技法」など独自に編み出した技法により、琉球ガラスを美術性の高い工芸品の域に達せしめたと評価された。
 熊谷さんは、独自に考案した衿(えり)付け・縫い代始末手法により、和服のような仕立て替えができないとされてきた琉服の仕立て替えを可能とするなど卓越した技能が評価された。
 現代の名工は1967年、技術者の地位と技術水準の向上を図るため創設され、都道府県や業界団体が推薦した候補を審査する。基準は極めて優れた技能を持ち、ほかの技術者の模範と認められることなど。毎年秋、150人が選出される。
 ことしも厚労省は当初、150人を表彰の対象として選んでいたが、兵庫県が1人の推薦を取り下げた。

池宮城 善郎さん
熊谷 フサ子さん