【アメリカ】日系ウーマン・オブ・ザ・イヤー 琉舞の徳永さんが受賞


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琉舞を通しての社会貢献が認められウーマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれた那覇市出身の徳永愛子さん(右から2人目)=6日、米ロサンゼルス・リトル東京のホテル・ニューオータニ

 カルフォルニアの日系団体が主催する今年の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に北米沖縄県人会文化部長の徳永愛子(旧姓・天願)さんが選出され、6日、リトル東京のホテル・ニューオータニで表彰式が開かれた。
 日系市民協会ロサンゼルス・ダウンタウン支部(キテイー・サンキー支部長)と南カリフォルニア日本婦人会は毎年「母の日」の前後にさまざまな分野で活躍した日系婦人功労者を表彰。今年も推薦者の中から4人が選出され、徳永さんは琉舞を通して諸団体に貢献したことが認められた。徳永さんは「アメリカ生活50年の大半を琉舞の推進と指導に専念してきた。栄誉を与えられたことを感謝します」と喜びをかみしめた。徳永さんの母・天願幸子さんも同賞を受賞しており、母娘受賞としては昨年に続き沖縄系としては2人目となる。
 徳永さんは那覇市生まれで、旧知念村育ち。大戦中に父が戦死し、姉と2人、母・幸子さんの女手ひとつで育てられた。 1956年、母と姉がロサンゼルスに移住し、6年後に徳永さんも移住。カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(CSULA)芸術学部で美術史を専攻した。
 琉舞は5歳から習い始め、高校時代はハワイで3カ月、真境名由乃師匠に師事し、本格的に琉舞を学んだ。63年から64年まで、沖縄の真境名本流琉舞道場で元重要無形文化財の家元・故真境名由康さん、真境名由苗さんに師事した。
 徳永さんは77年9月1日、「真境名愛子」として名取の免許を取得。沖縄滞在中には沖縄タイムス社主催の10周年記念芸術祭の創作舞踊部門に出演し、優秀グループ賞に輝いた。
 現在、ロサンゼルス地域で数多くの慈善事業公演、各地の大学やコミュニティーの行事に参加。門下生たちの記念公演にも協力し、リサイタルを成功させるなど人望が厚い。北米に琉舞を広く紹介した草分け的存在。
 徳永さんの琉舞に対する情熱と知識は深く、あくなき執念で芸能の道を追求してきた。徳永さんは「私の夢は芸能を通した人種の差別なき平和社会の実現。今後も努力したい」と話す。夫のジェフさん、息子、母と4人暮らし。ほかにも弁護士の娘がいる。
(当銘貞夫通信員)