11管、拘束事案の説明拒否 辺野古取材で対応を一転


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海上保安官がカヌーに飛び乗ることで海に落とされた市民(中央)と、市民をボートに引き上げようとする海上保安官=2日午後2時56分ごろ、名護市辺野古沖(板谷めぐみさん提供)

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に関し、カヌーで抗議する市民らを拘束するなどしている第11管区海上保安本部は6日、拘束の事実確認や理由などの取材に応じない意向を示した。市民らに対する海保の暴力的な行為はカヌーから海に落としたり、外洋に置き去りにしたりするなど過激さを増している。海保の姿勢に市民らは「許せない」「県民の反発が強まる」と怒りの声を上げた。

 この日、海上保安官がカヌーの市民5人を制限水域外で拘束したことを本紙が確認した際、11管の担当者は「個別的事案に関してはお答えできない」と述べた。これまでは対応してきた事実確認に応じない理由を尋ねると、「個別的事案に関しては答えられないというのがこちらの回答だ」と繰り返した。
 これまでは取材に対し発生時間や場所などを聞いた上で、現場の海上保安官に確認し回答してきた。2日、辺野古沖合で抗議する市民らのカヌーを外洋に置き去りにした事実や理由をただした本紙に対し、市民らを沖合に移動させたことを認めた上で「海上の安全と法令励行の観点で適切に対応した」と答えていた。
 2日はカヌーに飛び乗って転覆させ、海保の船やゴームボートが近接している海に市民らを落とすなどの措置を取った。1月20日には映画監督の影山あさ子さん(51)に馬乗りになりカメラを取り上げようとした。同30日にはカヌーに乗った市民のパドルを取り上げ、海に放り投げている。
 このような暴力的行為の事実確認に応じない海保の姿勢に対し、沖縄平和運動センターの山城博治議長は6日、「本来なら説明を尽くすべきだ。県民の反発を強める一方だ。沖縄の意向を受け付けない政府と同じだ。ふざけている」と批判した。4月から座り込みに参加している東京の大学生、藤代勝博さん(27)は「海上の暴力行為に何の説明もないのはおかしい。許せない」と憤った。
英文へ→JCG refuses to answer why they are constraining protesters in Henoko