糸満の子25人が組踊 「白銀ぬ想い」400人くぎ付け


社会
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「白銀ぬ想い」を懸命に演じる子どもたち=14日、糸満市農村環境改善センター

 【糸満】糸満市の白銀堂に伝わる格言を題材にした創作組踊「白銀ぬ想い」(脚本・和宇慶正雄、構成演出・金城清一)が14日、糸満市農村環境改善センターで初上演された。

糸満市子供組踊隊実行委員会が主催し、同市教育委員会が共催した。地謡を含め総勢25人の子どもたちが出演し、全編しまくとぅばの劇を見事に演じ切った。会場には約400人が足を運び、熱演に見入った。
 「組踊を次世代に伝えたい」という思いから、2012年に糸満市の芸能関係者らが子どもたちに呼び掛け、子供組踊隊を発足。上演を目指して稽古を積んだ。
 「白銀ぬ想い」は、借金取りに追われる父娘が糸満の白銀岩にたどり着く場面から始まる。親子を追う薩摩の侍に対し、糸満の青年マンクーが「意地ぬ出じらぁ手引き 手ぬ出じらぁ意地引き(怒りが出た時手を出すな。手が出そうになったら怒りを鎮めよ)」と諭し、親子の命を救うという内容。
 娘のナビー小を演じた伊敷瑞穂さん(13)=三和中1年=は悲しみに暮れる心を美しい歌声で切々と表現。「緊張したけれど、今までで一番声が出た」とはにかんだ。
 親子を追う薩摩の侍を堂々と演じた山城立紗子さん(12)=糸満南小6年=は「間違えずに唱えを言うことができた。違う作品にも挑戦したい」と意欲を見せた。
 司会と地謡を担当した大城ひなたさん(11)=兼城小5年=は「本番を無事に終えてほっとしている。今日の出来は100点満点」と満面に笑みを浮かべ話した。