「戦争しない」誓い込め 石坂美砂さん平和コンサート


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
<対馬丸>「戦争は絶対にしないという誓いを込めた」と話す石坂美砂さん(ステージ左)らによる平和コンサート=19日、与那原町コミュニティーセンター

 【与那原】大勢の学童を犠牲にした対馬丸の沈没から71年となるのを前に、シャンソン歌手の石坂美砂さん(51)が19日、与那原町コミュニティーセンターで平和コンサートを開催した。

 本部町出身で石坂さんの母、故真砂さんが生前作詞した「ああ対馬丸」三部作から「啓ちゃん生きた」や「白旗の少女」など6曲を歌い、詰め掛けた200人近くの町民らを涙ぐませた。
 真砂さんも対馬丸に乗船する予定だったが、急病で他の船で熊本にたどり着いた。帰郷後、恩師や同級生を訪ねたが、皆帰らぬ人となっていた。
 それから自身の体験を基に「対馬丸三部作」を作り、亡くなる2003年の前まで各地で歌い、平和を訴えてきた。現在は美砂さんがその遺志を受け継いで、平和コンサートを開いている。
 今回はコールよなばるのコーラスとともに幕が開き、町内の学童クラブの子どもたちと「オーシャンゼリゼ」や「月桃」などを元気よく合唱した。
 「白旗の少女」では与那原東小学校1年の普天間佳愛さんが白旗を持って演出して大きな拍手が送られた。対馬丸の歌の場面では涙を拭う観客の姿も見られた。
 石坂さんは「与那原での平和コンサートは初めて。多くの人に参加していただき、戦争は絶対にしない、させないという誓いを込めた有意義なコンサートだった」と話した。(知花幸栄通信員)