火の粉払い力勝負 辺野古大綱引きに2500人


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 【名護】名護市辺野古区の伝統行事「辺野古大綱引き」が8月30日、区内の辺野古グラウンドで開かれた。集落を東西の組に分けて挑んだ二本勝負の大綱引きは、1勝1引き分けで東組が勝利した。

3年ぶりの開催に実行委や青年会など関係機関が力を尽くした結果、途中で雨に降られるも、区の人口を超える約2500人(実行委発表)が集まり、大いに盛り上がった。
 米軍キャンプ・シュワブのバンド演奏で開幕した後、集落の児童会や生徒会、やまびこ久辺保育園がみこしを担ぎ「わっしょい、わっしょい」とかわいらしく会場を練り歩くと、保護者も笑顔で手を振っていた。
 区伝統の青年会エイサーは演舞の途中、大雨に降られたが、力強い太鼓の音を止める事なく、勇壮に踊りきった。舞台では力強い棒術も披露された。
 たいまつを持った青年らが会場で輪を作って駆け回る「テービーガーエー」が始まると、一気に盛り上がりを見せた。区民や米兵らが輪の中に駆け込み、舞い散る火の粉を手拭いなどで払いながら「サーサーサー」と掛け声を上げた。
 参加者の気持ちを高ぶらせる法螺(ほら)貝や太鼓が鳴り響く中、雄綱と雌綱にカヌチ棒が差し込まれ、舞台からの合図で大綱引きが開始された。一本目は東がじりじりと引き寄せ勝利。二本目は東西どちらも譲らず、引き分けとなった。
 終了後、実行委の嘉陽宗克区長は盛況に終わった綱引きを支えた関係者に感謝し、「区を象徴する『勢』の文字のごとく、今後も、区民一同で協力していきたい」とあいさつした。

<辺野古大綱引き>テービーガーエーの火の粉を浴びながら盛り上がる区民や米兵ら=8月30日、名護市辺野古
一本目の綱引きでじりじりと引き寄せる東組