教育

埼玉の中3生、修学旅行で「集団自決」地に 「平和」努力を決意

戦争体験者から沖縄戦の話を聞く自由の森学園の生徒ら=3日、渡嘉敷村前島

 埼玉県から修学旅行で沖縄を訪れている自由の森学園中学校(潮瀬治校長)の3年生が「集団自決」や「無防備宣言」を学ぼうと戦争体験者の話を積極的に聞いている。コースを企画し、渡嘉敷村の前島と渡嘉敷島を訪れた中島大地君(14)=埼玉県川口市=は「何をやっていけばいいのかは分からないが、沖縄を訪れて戦争へ逆戻りしないようにしたいと思った。あらためて憲法9条に対する思いが強くなった」と話している。

 自由の森学園では、半年前から生徒が修学旅行のコースを企画。伊是名村でのホームステイや基地問題、伝統文化など投票でコースを選んだ。集団自決や無防備宣言などについて考えたのは「前島コース」のメンバー16人。
 前島コースは、中島君が無防備地域宣言運動全国ネットワークの会員が描いた漫画「無防備マンが行く!」を読んだのをきっかけに企画した。
 2日は渡嘉敷島の住民、3日は前島の住民から沖縄戦の証言を聞き、壕などを見学した。生徒らは前島で食糧や水、部屋の余裕がないなどの理由で日本軍の駐屯を断り、結果的に住民の命が助かったこと、日本軍がいた近くの渡嘉敷島では集団自決で次々に住民が命を落としたことなどを聞き、命の大切さを感じた様子。
 中島君は、沖縄戦の「集団自決」への日本軍の強制に関する記述が修正・削除された教科書検定問題に対して「本当のことをちゃんと伝えてほしい」と要望。「戦争をするのは簡単で、平和をつくり上げるのは難しい」と平和を守ることの大切さを指摘した。
 同学園の齊藤理子教諭(32)=埼玉県飯能市=は「証言者は2人とも『鬼畜米英』などと教えられた教育は恐ろしいと繰り返していた」と振り返り、教科書検定問題に対し「すべてを覆い隠すより、真実を受け止めて考えていくことが大切だと思う」と話した。
 (大田紗弓)