<金口木舌>世界に名を広げる格闘家


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 1925年、大衆雑誌「キング」に空手家、本部朝基の活躍が紹介された。屈強な外国人ボクサーを一撃でのしたエピソードは全国に広まった

▼先人の武勇伝に胸躍るが、武術の起源にも興味が湧く。「唐手」と表記されていた空手は中国武術の影響を受けた。中国武術は仏教伝来とともにインドから持ち込まれた格闘技が基になっているとされる
▼さらにさかのぼれば、古代オリンピックの競技の一つだった総合格闘技「パンクラチオン」につながるとの考察もある。古代オリンピックの廃止とともにパンクラチオンも廃れたが、総合格闘技は1993年にアメリカで「UFC」が始まると再び脚光を浴びた
▼今やUFCはメジャー団体として世界の超一流格闘家がしのぎを削る。その世界最高峰の舞台で3連勝と快進撃を続けるのが那覇市の平良達郎選手
▼メキシコ人選手の首締めをしのぎ、関節技で1本勝した23歳は「もっと上に行きます」と頂点を見据える。デビュー以来、13連勝と負けなしの超新星の名は世界に広がり始めている。