金口木舌(2010年4月8日)

 嘉手納ラプコンが日本に返還されたのは3月31日。その前日と翌日に飛行機に乗る機会があった。移管後の変化が離着陸時に体感できるかと内心期待したが、明らかな違いは分からなかった

▼一方で、機内のサービスは大きく様変わりしていた。当然のように全員に出されていた飲み物が、4月からは客一人一人への声掛けも消えていた。この航空会社では、希望者にだけ、水とお茶を出す方式に変わったという。他の飲み物は今後有料になるそうだ
▼機内放送を聞くヘッドホンも、座席のポケットになく、申し出た人にのみ手渡していた。機内誌には“マイ・ヘッドホン”持参を勧める一文も。「音楽は聞けないんですか」と、けげんな顔で客室乗務員に尋ねる光景が見られた
▼機内で出される軽食が楽しみだったのは今は昔。おしぼりも、週刊誌も、今年1月からは新聞も消えた。世知辛いと見るか、経費節減への切実な企業努力と見るかは人それぞれだろう
▼航空業界は今厳しい気流の中を進んでいる。最大手は会社更生手続き中。格安航空会社は安全管理に問題があるとして、6日に国交省から業務改善勧告を受けた
▼コスト削減へ向けてサービスを見直すのは致し方ない面もある。しかし、飛行機が日々乗せているのは数多くの命。最大の使命である安全確保だけは、決して低空飛行をしないでほしい。