金口木舌(2010年4月10日)

 知人の女性グループが、ある飲食店を利用したところ、クレームが出た。しゃれた店内で観光客も多い店だが、店員の対応がぞんざいで「二度と行かない」と怒りは収まらない

▼サービス業で接客の悪さは致命的だ。万が一観光客に対してもそうなら、影響はその店だけにとどまらない。嫌な思いをした旅人が次に取る選択は「沖縄には二度と行かない」となりかねない
▼観光業界の動向は、一見無関係と思われる異業種にまで波及する。リピーター1人といえど、失えば沖縄全体の損失となる。一度失った信頼を取り戻すのは容易ではない
▼最近はやや持ち直しつつあるが、県内観光業界は厳しい状況が続いている。関係業者は経費削減に頭を悩ませているようだ。ただ、笑顔と真心の接客に経費は掛からない。現状を考えれば、真っ先に取り組むべきことだろう
▼さりげないあいさつがむしろ心をつかむ。地元の人々との触れ合いは旅をより豊かにしてくれる。人々でにぎわう那覇市の牧志公設市場が人気を呼んでいるのも、気さくな会話と触れ合いの魅力と聞く
▼名護市では市営市場の再生を核にした市街地整備事業が始まっている。年度内には3階建ての真新しい市場が誕生する。客足は減ったものの、人々のもてなしの心は今も変わらない。新生市場に名護の人情が加われば、必ずや観光客の心をつかむはずだ。