<社説>地方議員の在り方 多様な声反映する代表を

 26市町村議員を選ぶ統一地方選の投票が9月9日に行われる。身近な地域の課題に取り組む地方議員だが、全国的にはなり手が少なく、問題となっている。

 沖縄はまだ、深刻な人手不足にまでは至っていない。ただ、女性や若手の少なさ、投票率の低下傾向などの課題は全国と共通する。住民の多様な声をくみ上げる議会の機能を高めることが求められる。
 全都道府県と市区町村の議長を対象にした共同通信のアンケートで、52%の議長がなり手不足を感じると答えた。とりわけ、山間部や農村部を抱える町村議会は59%と危機感が強い。
 県内は41市町村中、7割超の30議会が人手不足感はないと答えた。「感じる」は宜野座、伊江、嘉手納、伊平屋の4議会。「どちらかといえば感じる」が宜野湾、国頭、中城、南風原の4議会だった。
 全国の傾向と異なるのは、常に定数以上の候補者がいるからだろう。全国の場合、無投票当選者は、町村議で21・8%にも上る。都道府県議でも21・9%と高い。
 県内では2014年の統一地方選での無投票は伊江、中城、渡嘉敷の3村だけだった。
 一方、投票率の低下は共通する悩みだ。全国は15年の統一地方選の投票率が50%を割った。住民の半数が票を投じていない実態は、民主主義の根幹を危うくする。
 県内は14年統一地方選で、24市町村のうち18市町村が前々回10年の投票率を下回った。若い世代の移入者が多い自治体や、落選者が1人しかいない自治体は低かった。
 課題はまだある。今回の立候補予定者490人(20日現在)のうち、女性は49人と1割にすぎない。5月に成立した「政治分野の男女共同参画推進法」は、候補者数をできる限り男女均等にするよう政党に促すが、地方議員は無所属が多く、今回はまだ目標に遠く及ばない。
 今回の立候補予定者の年代は50~60代が68%を占め、20~40代は24%止まりだ。働き盛り世代、子育て世代が立候補しやすい環境づくりも必要になってくる。
 全国アンケートでは、人材確保策として議員報酬の引き上げが多かった。それを求めるなら、議員活動を積極的に住民に伝え、理解や関心を高める努力が不可欠だ。有権者への報告や説明なくしての報酬引き上げは認められない。
 しかし、県内の小規模な村議会では、質問者がゼロという議会もあった。年4回しかない定例会で質問の権利を行使しない議員に、果たして存在意義があるのだろうか。
 議員の数は確保できても、質が劣るようでは由々しき問題だ。報酬に見合った仕事をしているのか、住民による監視は欠かせない。
 特定の層の代表ではなく、生活者の多様な意見を反映した議会こそが望ましい姿だ。議会改革の在り方についても、選挙で論戦を交わしてほしい。



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